訪日客が「また行きたい」盛岡へ 米紙「行くべき」から1年

訪日客を案内するサンダンスの水本仁史店長(右)。「ビーガン対応料理が分かりやすいメニュー表を作っていく」と話す=盛岡市大通

 盛岡市が米紙の「行くべき52カ所」に入り、驚きと歓喜に包まれてから1年余り。新型コロナウイルスの収束とともに本県のインバウンド(訪日客)は回復基調にある。この対応を急ぐ中で食の多様性や歩きやすさの面で課題が浮かんだ。2024年版の52カ所で山口市が選ばれた中、行くべきから「また行きたい」盛岡へ-。食や観光関係者が受け入れ体制のレベルアップを狙う。

 盛岡市内で開かれた県主催のビーガン(完全菜食主義者)、ベジタリアンの受け入れセミナー。飲食店や宿泊施設の経営者ら約30人が知識を深めた。同市大通のパブ「サンダンス」の水本仁史店長(51)は「ビーガンの対応を強化して盛岡の味をさまざまな人に楽しんでもらい、また来たいと思う人を増やしたい」と戦略を練る。

 観光庁の宿泊旅行統計調査では、19年の県内外国人延べ宿泊者数(従業員10人以上の施設)は32万5450人。うち最多が台湾の18万820人で、コロナ禍で減ったが23年は14万4040人と回復傾向にある。盛岡市によると、23年2~10月に市内を訪れた訪日客のうち約47%は台湾からの旅行者だった。観光庁のまとめでは、台湾の人口の14%はベジタリアン(18年時点)で、対応食を増やせば誘客に有利になる。

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