富岡製糸場「ブリュナエンジン」 復元機の動態展示、初の休止 群馬

動態展示を休止しているブリュナエンジン=8日

 世界文化遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)で公開されている蒸気機関「ブリュナエンジン」の復元機が、動態展示を休止している。エンジンに蒸気を送る付属のボイラーが故障したため。市はボイラーを更新し、早期の再稼働を目指す。市によると、定期的な点検整備を除いて動態展示を休止するのは初めて。

 2月上旬にボイラー内で水漏れが見つかり、動態展示を休止した。エンジン自体に問題はないという。

 ブリュナエンジンは、製糸場の草創期に繰糸機の動力源として使われた。実物は愛知県内の博物館にあり、製糸場にあるのは世界遺産登録に合わせて富岡商工会議所が復元したもの。

 復元に携わった技術者らの協力を得て、2016年から土日祝日に動態展示を行ってきた。運転を停止した状態での展示は続けている。

 市富岡製糸場課は「技術者の皆さんが愛着をもって動態展示に協力してきてくれた。なるべく早く復旧してまた来場した方に見てほしい」としている。

© 株式会社上毛新聞社