長崎市が庁舎近くに喫煙所設置へ 周辺からの苦情受け

 長崎市は8日の市議会総務委員会で、市庁舎近くに喫煙所を設置する方向で検討すると明らかにした。市庁舎の敷地内には喫煙所がなく、周辺で喫煙する職員や庁舎利用者に関する苦情が市に相次いでいた。日向淳一郎企画財政部長は、受動喫煙防止のため「市の責任で市役所周辺に設置する」と述べた。
 設置場所は、市庁舎から市道を挟んだ位置にある旧長崎地区労会館の跡地(桜町)。市が2024年度に公用車駐車場を整備する予定で、余剰地に喫煙所を設ける。ついたてなどの分煙施設は日本たばこ産業(JT)の寄贈を受ける方向で調整している。
 健康増進法は行政庁舎を敷地内禁煙の「第1種施設」と規定する。23年1月開庁の市庁舎も同様だが、22年夏には議会フロアを「第2種施設」とみなし、喫煙専用室を設置する計画が判明。医師会や市民の反発を受けて撤回された経緯がある。今回の公用車駐車場は「屋外」に当たるため、設置は可能という。
 8日の総務委では、委員が「市役所専用と思われるような場所だ」と指摘。日向部長は、市職員だけでなく来庁した市民も利用できるとし「グラバー園には既に設置したが、他の観光地でも受動喫煙を防ぐため設置を検討している」と述べた。

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