鈴木彩艶の日本代表招集報道に疑問噴出…広島GK大迫敬介が勝る部分とは?

鈴木彩艶 写真:Getty Images

浦和レッズからシント=トロイデンVV(STVV)へ完全移籍のGK鈴木彩艶は、北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦での日本代表メンバー入りが濃厚とみられている。ただAFCアジアカップ全5試合で失点していただけに、ネット上では鈴木の代表招集に疑問の声が噴出。GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)の代表復帰待望論が湧き起こっているほか、一部のサッカー関係者はGK谷晃生(FC町田ゼルビア)の招集を推奨している。

鈴木は昨年夏に浦和からSTVVへ期限付き移籍すると、GKシュミット・ダニエルからレギュラーを奪取。パリ五輪世代屈指のGKとして期待される中、昨年10月にはA代表入りを果たしたが、アジアカップでは低調なパフォーマンスを露呈。パンチングの判断やセットプレーにおけるポジショニング等で、代表OBの田中マルクス闘莉王氏をはじめ識者から様々な指摘を受けていた。

そのアジアカップの日本代表メンバーでは、GKシュミット・ダニエル(STVV)やGK中村航輔(ポルティモネンセ)など欧州リーグでのプレー経験が豊富な守護神が相次いで選外に。鈴木、前川黛也(ヴィッセル神戸)、野澤大志ブランドン(FC東京)とGK3人体制で臨んだが、いずれも大会前の時点でA代表キャップ数は5未満。日本国内外から「経験不足」との批判が相次いでいた。

一部報道によると、鈴木は北朝鮮戦でも代表メンバー入りが確実であるとのこと。4月にAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選を控える中、A代表の一員として活動するとみられるが、ネット上では「鈴木彩艶にA代表の力は無い!」「ザイオンに拘る意味は?」「パリ五輪予選はどうするんだろう…?」といった声が挙がっている。

また日本代表のGK問題については、興國高校サッカー部監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを指導した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)が持論を展開。「世界で戦う代表となれば、身長190cm近くは必要になってくる。サイズがあって、かつ不必要なボールロストをなくすために、フィールドプレーヤーとしてプレーできるようにならないと世界では戦っていけない」と、代表でプレーするために必要な条件を挙げた上で「この2つの条件と、次のワールドカップに向けて年齢とかも考慮して、谷選手と彩艶選手かなと(思った)」と述べている。

ただ昨年9月の国際親善試合ドイツ戦で1失点にまとめた大迫も、当然代表メンバーの候補に入ってくる。大迫は右手舟状骨骨折によりアジアカップ欠場を余儀なくされたが、ドイツ発の移籍専門サイト『トランスファーマルクト』は同選手の市場価値が140万ユーロ(約2億2800万円)だとリポート。JリーグでプレーするGKの最高額であるほか、100万ユーロ(約1億6300万円)という鈴木の市場価値も上回っているだけに「鈴木彩艶よりも大迫を使うべき」という意見も見られる。

なおベルギー紙『HBVL』によると、鈴木本人は今月1日の記者会見で「僕はアジアカップの舞台で多くのことを学びました。特にメンタル面で成長しましたね」と、アジアカップでのプレーによる成長ぶりを強調したという。今月14日に代表メンバー発表を控える中、GK問題を巡る議論が熱を帯びている。

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