復活への道を歩む元世界12位のリシッキが妊娠を発表!「人生は予期せぬ驚きに満ちている」<SMASH>

かつてウインブルドンで準優勝を飾り、女子テニス世界ランクで12位をマークしたサビーネ・リシッキ(ドイツ/現374位)が、第一子を妊娠したことを発表した。3月8日に自身のSNSを更新、「人生は予期せぬ驚きに満ちている。フィアンセと私はこのエキサイティングな旅を楽しみにしています」と現在の心境を綴った。

リシッキが“予期せぬ驚き”と言うのは、現在34歳となった彼女が、ツアーにおいて復活への道を歩んでいる途上だったからだろう。

リシッキは2011年のウインブルドンにワイルドカード(主催者推薦)で出場しベスト4進出。12年大会では当時世界1位のマリア・シャラポワ(ロシア)を破って8強、13年にはやはり1位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)や4位のアグニエスカ・ラドワンスカ(ポーランド)を破って準優勝と、グラスコートで大暴れしたことから“芝の刺客”として恐れられた。特にサービスは強力で、時速210キロのフラットでエースを量産したものだ。
しかし故障も多く、18年以降はトップ100圏外を低迷。20年には前十字靭帯断裂の大ケガを負い、18カ月も戦列を離れることを余儀なくされた。ランキングは一時1136位まで下降したが(※コロナ禍のため喪失はせず)、22年5月に復帰すると、下部ツアーから一歩ずつ這い上がり、現在は374位に位置している。

昨年11月には、復帰後初となるタイトルをカナダ・カルガリーのITF60,000ドル大会で手にした。リシッキはそれを「現実離れしている」と表現。「またプロとしてプレーできる確率はとても低かったのに、こうしてタイトルを取ることができた」と得がたい自信を手にした。

そんな状況下で恵まれた子宝だから、リシッキはもちろん喜んでいる一方で、テニスへの情熱も捨ててはいない。SNSでは、妊娠の報告に続けて「そして……私はもう一度カムバックしなければならないと思う」と宣言。すでに復帰を見据えている

奇しくも昨今はキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク/33歳)、アンジェリーク・ケルバー(ドイツ/36歳)、そして大坂なおみ(日本/26歳)と、出産を経てツアーに復帰し、輝きを放つ選手が続いている。リシッキにもまたコートであのビッグサービスを披露してほしい。

構成●スマッシュ編集部

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