マカオ税関が關閘イミグレ近くに開設された運び屋への密輸品供給店摘発…乾燥フカヒレ約1300キロ押収

商業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給店で見つかった乾燥フカヒレ(写真:澳門海關)

 澳門海關(マカオ税関)は3月8日、同月7日にマカオ半島北部・關閘エリアの商業ビル、如意閣商場内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点にあたる店舗1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給店(写真:澳門海關)

 税関によれば、運び屋の活動状況を注視しており、情報収集を通じて市内で運び屋への商品供給拠点となっている可能性がある場所に対する内偵調査を進める中、7日夜、關閘イミグレーション出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した女1人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、乾燥フカヒレ2袋を所持していたことが判明。女は税関の調べに対し、事前にマークしていた關閘エリアにある商業ビル内の店舗で商品をピックアップし、運搬料名目の報酬を得る目的で商品を携行して出境したことを認めたため、即座に当該店舗に対する摘発に着手したとのこと。

 摘発時、現場には責任者の男が1人おり、店内から乾燥900袋(計約1300キログラム)、市価にして約250万パタカ(日本円換算:約4560万円)相当が発見され、すべて輸出入に必要な書類のないものだったという。

調査のため税関へ身柄を移送される運び屋向けの密輸品供給店の責任者(写真:澳門海關)

 本件に絡む密輸品供給店の責任者の男(23)と運び屋の女(61)はいずれもマカオ人。税関では、店舗の責任者の男が運び屋を組織して中国本土への密輸出活動を行ったとし、上述の2人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、当該店舗の営業許可もなかったとして財政局がフォローアップを行うとした。

 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。

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