新人俳優賞受賞者に妻夫木聡が熱いメッセージ「皆さんの後ろには僕たちがいます。精いっぱい芝居を楽しんで!」『第47回日本アカデミー賞授賞式』

『第47回日本アカデミー賞授賞式』が3月8日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて開催され、8名の俳優に新人俳優賞が贈られた。

『キリエのうた』に出演したアイナ・ジ・エンドは、初の芝居だったことに「不安で仕方がありませんでした」と語りつつ、「広瀬すずさんや松村北斗さんが私のお芝居の教科書みたいに背中でいっぱい波動を出してくれて“お芝居って楽しいのかもしれない”と教えてくれました」と感謝を伝えた。

『交換ウソ日記』に出演した桜田ひよりは「この世界に入って16年たちました。私はここからがスタートだと思っています。これからも役と、そして作品と、一つ一つ丁寧に向き合って生きていこうと思います」と決意を新たにした。

『ミステリと言う勿れ』に出演した原菜乃華は「撮影中もずっと“自分なんかでいいのか”という思いがあったんですけど、松山(博昭)監督、菅田(将暉)さんはじめキャストの皆さま、スタッフの皆さまが本当にあたたかくて、何度も助けていただいて演じ切ることができたのかなと思っています」と感謝を口にした。

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』に出演した福原遥は、応援してくれていた祖母が先日亡くなったことを明かし「小さい頃から祖母と“いつかこのアカデミー賞という場に立てたらいいね”と一緒に夢見ていたので、他界する前に喜んでもらえたのが自分自身すごくうれしかったです」と思いを語った。

『レジェンド&バタフライ』に出演した市川染五郎は、演じた森蘭丸役について「この役は10代のうちにしかできない役なのかなと思っていますので、10代のうちに出会えたことが本当にうれしく思っています」と語った。

『怪物』に出演した黒川想矢は「僕は今、2つの自分と戦っています。『怪物』で湊役を演じられたのは運でしかないと思う僕と、自分の力でやり遂げたと勘違いしてしまう自分です。この感情の戦いに打ち勝って、常に優しい人間であり、俳優でありたいと思います」

同じく『怪物』に出演した柊木陽太は「初めて出演した映画が『怪物』という作品で本当にうれしいです」と喜びを語るも「それと同時に、この先俳優をしていくうえで越えなきゃいけない壁だとも感じています。ここにとどまらずに前を向いて着実に努力を積み重ねて、たくさんの方の心を動かせるお芝居をして、またいつかこの場所に戻って来られるように引き続き頑張りたいと思います」と決意を新たに。

14歳の黒川、12歳の柊木という“若手”俳優のしっかりとしたスピーチに、会場の先輩俳優たちも一様に目を細めていた。

『交換ウソ日記』に出演した高橋文哉は「ぼくはここにいる人間の中で芝居の一番の赤ちゃんだと思っています。ここからまだまだ伸びしろがたくさんあって。」と語り「僕は芝居が好きです。ここにいらっしゃる素敵なスタッフの皆さま、そしてキャストの皆さま、大先輩が作り上げた映画界の道のりを、自分らしく全速力で、エンジンフルで走り抜けて、またここに立ちたいと思います」と決意を述べた。

最後に受賞者たちに向けて、先輩である妻夫木聡から「映画は絶対に裏切らないです。そして、皆さんの後ろには僕たちがいます。ここにいるキャストスタッフ一人一人がみんな熱い思いを持って、素晴らしい“映画”というものに取り組んでいます。だからこれだけは忘れないでください。僕たちがいるから。精いっぱい芝居を楽しんでください」と熱いメッセージが送られ、受賞者たちはその言葉をかみしめるように聞き入っていた。

写真提供:©日本アカデミー賞協会

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