磯村勇斗 最優秀助演男優賞を受賞!「たくさんの壁があった…」『第47回日本アカデミー賞授賞式』

『第47回日本アカデミー賞授賞式』が3月8日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて開催され、『月』に出演した磯村勇斗が最優秀助演男優賞を受賞した。

優秀助演男優賞は、磯村勇斗『月』、伊藤健太郎『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』、大泉洋『こんにちは、母さん』、加瀬亮『首』、菅田将暉『銀河鉄道の父』の5名が受賞。

受賞者5名へのインタビューでは、司会を務める岸井ゆきのが緊張のあまり思うようにしゃべれなくなってしまう一幕も。「賞をとるのは僕たちなんだけど?」とすかさず笑いに変えた大泉の“助演”によって岸井の緊張もほぐれた様子。

磯村は今回の受賞式で、優秀主演男優賞を受賞した神木隆之介に会うのが楽しみだったという。プライベートでもよく会っているという神木について「子供みたいに無邪気になれるんですよね、神木君に会うと」と仲の良さを語った。

伊藤は寒い時期の撮影中、ロケ現場で豚汁の炊き出しを行い、自ら調理して振る舞ったという。「みんなのモチベーションも上がるかな」という思いから行った豚汁の炊き出しに、共演者の福原遥も「ホントにおいしかったですし、現場のムードメーカーでした」と感謝していた。

吉永小百合の息子の役を演じた大泉は、このキャスティングの話を聞いたとき「“絶対吉永さんから生まれねぇだろ”っていう世間からの突っ込みを感じて、申し訳ない気持ちになりましたね」と語る。吉永も最初は大泉と合うかどうか心配していたというが、初対面の時にケーキを差し入れし、大泉がショートケーキを選んだのを見て「あ、これ私の息子!」と思ったという。そんな大泉の娘役を演じた永野芽郁はキャスティングに「光栄でした」と語り、大泉も喜んでいた。

加瀬は監督の北野武が自分の配下である羽柴秀吉の役だったことについて「監督がこの場にいないんで…正直…やりにくいです!」とぶっちゃけた。「監督をサル呼ばわりしてさんざんバカにした後、その監督から“あ、今のいいんじゃない?”とか、立場がいきなり逆転するんで、複雑な気持ちでやってました」と人知れぬ苦労を語った。

菅田は初共演となった父親役の役所広司について「お父さん役なんですけど、毎日お父さんのパワーとの戦いというか。息子としても、後輩としても、毎日刺激でした」と語った。そんな菅田について役所は「奥様(俳優の小松菜奈)とも父親役でやったことがあって、今回菅田君も息子役だったんで、親戚みたいな感じがして」と語りつつ、「どんどん撮影中に減量していって、死んでいくシーンは見ていて悲しくなりましたね」と、役者としての魅力も語った。

そしていよいよ最優秀賞の発表。昨年の最優秀助演男優賞受賞者である窪田正孝が読み上げた名前は『月』の磯村勇斗だった。

磯村は「参加するにあたっても、作るにあたっても公開するにあたっても、たくさんの壁があって、映画一本お客様の前に届けるのがどれだけ大変なのかすごく痛感した作品」と振り返り、「この賞は自分でもらうと言うよりは一緒に作り上げて最後まで公開することができた皆さんと分かち合いたい」と語った。さらに「世の中不安定なことたくさんありますけど、自分の素足でしっかり地に足につけて、またスクリーンで生きていきたい」と、引き締まった表情で今後の意気込みを語り、会場からは大きな拍手が上がった。

写真提供:©日本アカデミー賞協会

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