アーノルド・パーマーの自室を公開 アイゼンハワー大統領との関係性

ベイヒルクラブにあるアーノルド・パーマーのデスク。亡くなった後もあえて、当時の姿を保っている(PGAツアー)

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待 2日目(8日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

PGAツアー通算62勝(メジャー7勝)、20世紀のゴルフ界を牽引したアーノルド・パーマーは2016年、87歳でこの世を去った。“キング”の異名で誰からも愛された、全米スポーツ界のスーパースターは、フロリダ州オーランドのベイヒルクラブを拠点にして地域にも貢献。コースにはパーマーが過ごしていたオフィスがいまも原形をとどめている。

アイゼンハワー元大統領がパーマーに送った手紙(PGAツアー)

パーマーと、大のゴルフ好きとして知られたドワイト・D・アイゼンハワー元大統領との関係は特別だった。1958年10月にペンシルベニア州で初めて対面した当時、在任中だった大統領は同年の「マスターズ」で初優勝したパーマーだと認識していなかったという。写真はそのことを謝罪した手紙で、改めてオーガスタナショナルGCでのプレーをたたえ、その後の成功を祈ったものだった。

アイゼンハワー元大統領は10ドル札と激励のメッセージを送った(PGAツアー)

1965年には元大統領(1961年まで在任)が賭けに負け、10ドル札を添えた手紙をパーマーに宛てた。冒頭で「これほどしぶしぶ支払うものはない」と記すと、当時優勝から遠ざかっていた“友人”を激励。「1年後にはきっと、アクシデントは大したことではなくなっている」とメッセージを送った。

伐採されたアイゼンハワーツリーからつくった記念の品(PGAツアー)

アイゼンハワーはマスターズ会場のオーガスタナショナルGCのメンバーでもあり、かの有名な「アイゼンハワーツリー」の由来になった人物。17番ホールをプレー中、何度も邪魔になったことから「あの木を切ってくれ」と申し出たが、クラブはこれを認めなかった。ツリーは2014年に大雪で倒れ、伐採された木片の一部を銘板にして、パーマーを含むごくわずかな人にプレゼントされた。

パーマーが愛用した香水(PGAツアー)

パーマーは“イケメン”スポーツマンとしても一世を風靡。「MUSK(ムスク)」はお気に入りの香水で、今もデスクの上に残してある。また、大の飛行機好きだったこともあり、ペンと鉛筆を入れた木製のオブジェを大切にしていた。1962 年から99 年まで自身のゴルフブランドも経営。キャディバッグと愛用クラブもそのままの姿を保っている。

愛犬マリガンのリード(PGAツアー)

愛犬はラブラドール。ゴルフで朝イチのティショットをやり直すことを意味する「マリガン」と名付けた。デスクには写真と実際に使用していたリードがそっと置かれている。

パーマー家の記念写真(PGAツアー)
パーマーが率いたゴルフブランドのキャディバッグ(PGAツアー)
飛行機で各会場にも出向いた(PGAツアー)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン