山陰道の大田・静間道路、静間・仁摩道路が開通 事業着手から16年 並行する国道9号に比べ、10分短縮 経済活性化や利便性向上に期待

テープカットで山陰道大田・静間道路と静間・仁摩道路の開通を祝う関係者=大田市静間町、大田静間インターチェンジ付近

 大田市内の山陰道大田・静間道路(久手町-静間町、延長5.0キロ)と静間・仁摩道路(静間町-仁摩町大国、延長7.9キロ)が9日、開通した。並行する国道9号を通行した場合と比べて時間短縮効果は約10分。広域観光や物流の活性化をはじめ、救急搬送の迅速化、住民生活の利便性向上が期待される。

 両道路とも無料区間の暫定2車線(片側1車線)で、事業主体は国土交通省。総事業費は844億円(大田・静間道路360億円、静間・仁摩道路484億円)。大田・静間道路は2012年度、静間・仁摩道路は08年度に事業着手した。

 開通に伴い、大田静間インターチェンジ(IC、静間町)を新設。両道路に1カ所ずつ追い越し車線があり、はみ出し事故防止策としてトンネルや橋の部分を除き、ワイヤロープ式防護柵が設置されている。

 大田市民会館で記念式典があり、関係者270人が出席。国土交通省の堂故茂副大臣は「高規格道路ネットワークが強化され、物流や人流の効率化、地域の活性化、国土強靱(きょうじん)化が期待される」とし、丸山達也知事が「山陰道を最大限に生かすため、企業誘致や産業振興、広域的な観光誘客に取り組む」と強調した。

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