阪口晴南が自身初のポールポジション獲得! 若手の躍動続くなか、期待のルーキー勢は低迷【第1戦鈴鹿予選】

 3月9日(土)、2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕。三重県の鈴鹿サーキットで第1戦の公式予選が行われ、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がスーパーフォーミュラで自身初となるポールポジションを獲得した。2番手には昨季2023年の最終戦鈴鹿で初優勝を遂げた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入り、野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手に続いた。

 例年と異なる3月開幕となった今季のスーパーフォーミュラ。午前中のフリープラクティスでは雪の舞う場面もあり、ピットウォークの間には少し雨も降ったが、公式予選の開始時刻が近づくにつれ天気は回復していった。

 定刻の15時05分にスタートしたQ1 A組は、山下健太(KONDO RACING)、太田、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、三宅淳嗣(ThreeBond Racing)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、木村偉織(San-Ei Gen with B-MAX)、松下信治(TGM Grand Prix)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)の11名が出走。気温は8℃、路面温18℃と、フリープラクティス時よりも低い数字だが、午前中よりは青空が広がっているというコンディションだ。

 セッション開始と同時に松下と山本を除く9名がコースインし、そのなかで山下と岩佐、笹原はそのまま連続周回に入った。残り時間が6分半を示したところで、いったんピットに戻っていた小林、三宅、プルシェール、木村に、ここまで待機していた松下と大湯がピットを離れ、タイムアタックに向かう。やや間をおいて、山下と岩佐、笹原がピットイン。タイヤを履き替えてピットを離れていった。

 いち早くアタックに入ったのは太田。セクター1から全体ベストタイムをたたき出すと、1分36秒284と、午前中のフリープラクティストップタイムを約0.1秒削り、暫定トップに立つ。続いてコントロールラインを通過した大湯は1分36秒938で暫定2番手に立ったが、これを岩佐が1分36秒545で逆転。さらに山本が1分36秒540で上回り2番手に上がった。

 続いて山下が1分36秒745で岩佐に続く4番手につけるが、ルーキーの木村が1分36秒501で山下を上回り4番手に。最後に松下が1分36秒533で5番手に滑り込み、全車アタック終了。太田、山本、岩佐、木村、松下、山下の6名がQ2に駒を進め、小林、プルシェール、大湯、笹原、三宅の5名が予選を終えることとなった。

 続くQ1のB組は、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口、Juju(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の10名が出走。野尻と坪井は、A組でチームメイトが採った作戦をなぞり、連続周回を経てからピットイン。大嶋と佐藤はタイミングをずらしてからコースインするが、アウトラップのヘアピンコーナーで佐藤がスピンしてしまう。芝生にタイヤを落としてしまうがなんとか体勢を立て直し、走行を再開。タイヤのウォームアップラップにも間に合い、全体の9番目でアタックに入っている。

■FP1トップの野尻が速さをみせるが

 この組ではまず、福住が1分36秒518のタイムを記録すると、セクター1で速さを見せていた阪口が1分36秒404をマークして逆転。その後、坪井が福住のタイムを約0.1秒上回り2番手に入るが、続く野尻が異次元の速さを見せる。セクター1だけで阪口を0.3秒上回ると、続くセクター2でも全体ベストタイムを並べ、このグループで唯一の1分35秒台となる1分35秒862をたたき出しトップに躍り出た。

 これに、2月の公式テストで好調だった牧野が2番手で続くが、その差は0.4秒と大差だ。このあと、大嶋が1分36秒729でQ2進出圏内の6番手に入るが、すぐさま佐藤が0.1秒逆転して6番手に滑り込む。最後に小高が1分36秒697でアタックラインを通過してセッション終了。野尻が文句なしのトップタイム通過を果たし、牧野、坂口、坪井、福住、佐藤の6名がQ2進出。小高、大嶋、国本、Jujuの4名がここで予選を終えることとなった。スーパーフォーミュラ初予選となったJujuは、周りとタイミングをずらしてニュータイヤでコースイン。計測4周目のアタックで1分40秒699というタイムだった。

 10分のインターバルを挟み、ポール争いのQ2がスタート。いの一番にタイムアタックを開始したのは太田で、まずはQ1で届かなかった1分35秒台に入る、1分35秒880をマークする。ただし、これよりも速いペースを見せていたのが阪口で、太田のタイムを約0.1秒を上回る1分35秒789で逆転トップに。坪井、福住、山下と次々にコントロールラインを切るものの、坂口と太田のタイムには届かずに3番手が目まぐるしく変わっていった。

 注目は鈴鹿で圧倒的な速さを誇る野尻で、セクター1、2と阪口とのギャップを削っていく。しかし最後のセクター4では阪口のタイムに及ばず、結果は1分35秒926。Q1での自身のベストタイムにも届かず3番手に。このあと、山本、佐藤、岩佐らが次々とタイムアタックを終えていくが、トップ3のメンバーは変動することなく、最後に松下が1分36秒391をマークして予選終了。阪口の自身初ポールポジション獲得が確定した。

 太田は昨年最終戦と同じく予選2番手で、野尻が3番手に。この後ろに4番手と5番手で続いた佐藤、山本のPONOS NAKAJIMA RACINGコンビがテストに続き好調な走りを見せた。Q2に進出したふたりルーキーは岩佐が11番手、木村が12番手という結果になっている。

 31周で争われる第1戦鈴鹿の決勝レースは、10日(日)の14時25分にスタートがきられる予定だ。

予選トップ3、左から2番手太田格之進、ポールシッター阪口晴南、3番手の野尻智紀 2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿

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