TARAKOさん 学生時代に瀕死の子猫3匹の救命も 宜保愛子さんに明かしていた“素顔も天使”秘話

国民的人気アニメ『ちびまる子ちゃん』で主人公・まる子の声を務めている声優TARAKOさん(本名非公表)が4日未明に亡くなったことが9日に明らかになった。

「『ちびまる子ちゃん』の放送が30年以上続くなかで、原作者のさくらももこさんや、共演者で鬼籍に入った人もいます。自宅には、仲間たちの写真を飾ってある“天使コーナー”と呼ぶ一角を作っていたのです。

インタビューでは“天国に行けば、天使になった友人たちにも会えますから”と語っていましたが、シャイで優しいTARAKOさんこそ、まさに天使のような人柄だったのです」(テレビ局関係者)

TARAKOさんは本誌1991年1月8・15日合併号で、霊能者・宜保愛子さんと対談している。当時、すでに『ちびまる子ちゃん』のヒットにより大人気だった彼女だが、10年間も悩んでいたことがあった。対談を一部抜粋すると――。

TARAKOさん「子猫というと、いまも気になっていることがありまして。いまから10年くらい前に、私、学生だったんですけど、家のそばの川原の土手のところを歩いていると、ミーミーと鳴く声がしたんです」

宜保さん「捨て猫ですね」

TARAKOさん「ええ、草の中をのぞくと、3匹の子猫がもう息もたえだえで。とても自分一人ではどうにもならないから、友達に電話をして車で来てもらって、獣医さんのところへ行ったんです」

宜保さん「なかなかできることじゃないわ、おやさしいのね」

TARAKOさん「やさしくなんてないんですよ。そのあとがよくなくて、私、そのとき、全然お金の持ちあわせがなくて、とても治療費なんて払えない状態だったんです。だから、獣医さんの玄関のところに、その3匹を置いて、呼び鈴押して“お願いします”って帰ってきちゃったんですよ。ほんとうは最後まで面倒みてあげたかったんですけど……」

捨て猫たちの安否を10年も心配していたというTARAKOさん、宜保さんから猫たちが無事に治療を受けて元気になったことを聞くと、思わず大きな声を上げて喜んでいた。

対談でTARAKOさんは、このほかにも亡くなった所属事務所社長夫人への感謝などについて語っている。

晩年は4匹の保護猫を飼っていたというTARAKOさん。優しさと感謝を忘れない63年の生涯だった。

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