「中盤の基盤として機能」 ELでスタメン復帰の遠藤航に対して多くの現地メディアが高評価! 一方で「時折プレーが少し緩慢に」との指摘も

現地時間3月7日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)ラウンド・オブ16のファーストレグで、リバプールはスパルタ・プラハ(チェコ)相手に5-1で先勝を飾った。

開始6分でアレクシス・マク・アリステルのPKが決まって先制したアウェーの「レッズ」は、ダルウィン・ヌニェスのゴラッソ2連発で折り返すと、後半開始直後にオウンゴールを献上するも、ルイス・ディアス、ドミニク・ソボスライが加点し、大量得点で次ラウンド進出に大きく前進した。

遠藤航は3試合ぶりの公式戦先発出場を果たし、アンカーとしてフル出場。ボールタッチ84回(両チーム3番目の多さ)、シュート2本、パス70本(成功62本)、キーパス1本、ドリブル3回(成功1回)、空中戦4回(勝利1回)、タックル4回(成功3回)、クリア1回、ボールロスト1回、ファウル2回というスタッツを記録している(データ専門サイト『WhoScored.com』より)。

自身のSNSでは「1/2」と投稿して、2戦のうちのひとつを制しただけであると慎重な姿勢を示した遠藤。そんな彼に対する現地メディアの報道を見ると、日刊紙『THE Sun』は、「ワタルはユルゲン・クロップ監督のために“感謝されない仕事”に従事している。守備的MF、とりわけモイセス・カイセド、ロメオ・ラビアに次ぐ3番目の選択だった選手、受けるべき評価を得ていない」との表現で、彼の「縁の下の力持ち」的な貢献ぶりを強調し、以下のように続けた。

「しかし彼は今夜も、リバプールで堅実なパフォーマンスを発揮し、ミッドフィールドのセンターで船を安定させた。もし、クロップ監督のラストシーズンにリバプールがトロフィーを獲得することになれば、ワタルはそれを実現するための原動力となった偉大な選手のひとりになるだろう」

対して『Mirror』紙は「前半、遠藤は中盤で最高のパフォーマンスを見せられず、プレッシングが上手くいっていない状況で、リバプールはかなりオープンに見えた。これは、(3月10日のプレミアリーグ第28節で対戦する)マンチェスター・シティに考える要素を与えるだろう」と綴り、大一番に向けての不安材料に挙げられている。
『Daily Mail』紙は10点満点の採点で「7」(ヌニェス、マク・アリステルに次ぐチーム3番目タイ)の高評価を下し、「遠藤は中盤の基盤として、地味に仕事を進め、難しいアウェーマッチにおいて、クロップ監督が求めるペースで物事をスムーズにした」と称賛。サッカー専門サイト『90min』は及第点の「6」止まりだったものの、寸評は「中盤の基盤として機能し、チームメイトがプレーするためのプラットフォームとなった」とポジティブな内容となった。
リバプールの地元メディアでは、日刊紙『ECHO』が「試合ごとに重要性と存在感を増している。中盤における本当の守備のスペシャリストだ。ホームチームのカウンターアタックを防ぐためにルーカス・ハラスリンを引っ張り倒した際に警告を免れたのは幸運だった」と綴り、採点は「7」を付与。総合サイト『Liverpool World』も同採点で、「序盤に警告を受ける可能性があったが、中盤を上手く牽引した」と綴っている。

最後に、クラブの専門サイト『THIS IS ANFIELD』は「スタメン復帰を果たした遠藤にとっては、少し波のある夜だった。時折中盤でプレーが少し緩慢になったが、前向きなアプローチで幾つかの素晴らしいプレーを創出。イエローカードを免れたのは幸運だった。この試合は、彼をリズムに乗せるためのものであり、クロップ監督はそれが果たされたことを確信しているだろう」と好印象を示し、こちらも採点は「7」とした。

構成●THE DIGEST編集部

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