九州新幹線一部開業20周年 20年前は児童で一日駅長務めた女性ら「つばめはたち」祝う JR鹿児島中央駅

開業20周年を記念する臨時列車に出発合図を送る一日駅長の永崎ちひろさん(右)ら=9日午前、鹿児島市のJR鹿児島中央駅

 2004年3月の九州新幹線一部開業(鹿児島中央-新八代)から20周年を祝う式典が9日、鹿児島市の鹿児島中央駅であった。列車名「つばめ」の名付け親で一部開業時に一日駅長を務めた永崎ちひろさん(27)と当時の中央駅長だった中村修さん(73)の合図で、開業時と同じ車両のつばめを見送り、節目を祝った。

 永崎さんは北九州市出身で、現在は札幌市で舞台役者として活動する。「20年ぶりに同じ車両を送り出して涙が出そう。つばめのように私も羽ばたきたい」と喜んだ。中村さんも「(大人になった)ちひろさんを見て20年を実感した。県民や沿線の方々に育てられ、つばめも中央駅も大きく成長した」と目を細めた。

 この日は、一部開業時の沿線5駅でイベントが開かれにぎわった。開業日に祖母と出発式を見学したという鹿児島市石谷町の介護士竹之内幸太さん(42)は家族6人で式典を見学。「子どもたちは新幹線を見るのも乗るのも大好き。二十歳のお祝いを伝えたかった」と話した。

 九州新幹線は04年3月13日に一部開業。7年後の11年3月12日に新八代-博多がつながり全線(鹿児島中央-博多)で開業した。一部開業区間の鹿児島中央-新八代間は24年2月末までに累計約8174万人が利用した。

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