【受験生】いよいよ受験生!4月からの「受験に向けた勉強計画」

小学校受験~大学受験の年齢や学年ごとのワンポイントアドバイス

受験シーズンも国公立大学の後期日程のみとなり、多くの受験が終わりを迎えました。

すでに新しい受験生が入試に向けて動き出しています。そこで今回は、新年度を迎えるにあたり小学校から大学受験までのワンポイントアドバイスをご紹介していきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【小学校受験】小学校受験は親が積極的に関わっていく

小学校受験は年少から年中の時期に準備を始めるため、子どもが志望校選びなど積極的に関わることのない特殊な受験。

小学校受験は年少から年中の時期に準備を始めるため、子どもが志望校選びなど積極的に関わることのない特殊な受験です。

全国的には学区の公立小学校に進む子が圧倒的に多いこともあり、国立大学附属小学校や私立小学校と受験必須の学校の数は多くはなく、定員も限られています。倍率も高いだけでなく他の受験のように点数開示といった合否ラインがハッキリ分かりません。

小学校により入試内容は異なりますが、集団行動や先生の指示を聞いて作業が出来るかどうかなど、詰め込んだ知識だけでなく普段の生活の様子も垣間見て合否を決めるため、親のプレッシャーも大きいです。

合格するかどうか不確かな中で「入試本番までにいかに子どもが合格ラインに到達できるかどうか」という考えを持ち、対策を講じていく必要があります。

年少から準備をし受験学年である年長までに親が意識したいことをご紹介します。

年少(3歳~4歳)

まだまだ幼さが残る年少とは言え小学校受験を検討し始めたら、幼児教室や受験にプラスになる習い事に通わせて下準備をしていきましょう。

選考の内容は学校によって異なりますが、受験の王道の一つである「行動観察」は対策なしで突破することは難しく、家庭でカバーするのは難しいです。

人気のある学校を目指しているのであれば、受験する園児はしっかり仕上げてきた子ばかりですので、家庭でのサポートだけでなく受験に特化した教室に通わせるのがベターです。

家庭でも挨拶などの基本的な行儀や四季の行事知識、生活習慣に気をつけ、「話を良く聞いて行動をする」「他の子と協力することの大切さ」などを折に触れて話すようにしてください。

年中(4歳~5歳)

年中になると志望校選びが本格化します。それと同時に、子どもの個性もハッキリする年頃になるので「子どもの良いところを伸ばせる学校」「教育方針に共感する学校」を重要視しある程度絞り込みを進めておきましょう。気になる学校の説明会に足を運んで見極めてください。

学校の名前や人気度で選んでしまうと、たとえ狭き門を潜り抜けても子どもが息苦しさを感じる学校生活を送ることになります。小学校は6年間かつ子供の成長期と重なる重要な時期です。

学校によっては中学校や高校までエスカレーター式なので、見栄や親の考えを優先せずに「ペーパー系かノンペーパー系か」や「子どもにプラスになるか」と志望校を絞っていくようにしてください。

年長(5歳~6歳)

いよいよ受験生として入試が迫る年長は、入試が集中する秋までにどのくらい仕上げられるかが合否を決めるカギとなります。そして6月頃から本格化する学校説明会や学校見学会に必ず足を運び、本命校を始めとし二番手校や三番手校を決めていきましょう。

小学校受験は多角的な視点で子どもを見る受験である一方で、保護者の面接にも力を入れている受験でもあります。教育方針への理解がないと判断されれば不合格となります。

受験校の教育方針を理解し、家庭での教育方針や親の考えを伝えられる練習も必須です。

【中学受験】もはや都内では当たり前?中学受験

大都市圏を中心に中学受験熱は収まるところを知りません。

大都市圏を中心に中学受験熱は収まるところを知りません。コアネット教育総合研究所が2月に発表した「2024年首都圏中学入試総括レポート」によると少子化の影響で受験者数は減少したものの、受験率は前年より0.1%増加したことが分かりました。

中学受験は小学3年の2月から「新小4クラス」がスタートします。中学受験をする子ども達は小学校4年生から塾通いを本格化するのが一般的です。

小学1年〜3年そして小学4年生から6年生の各学年で気をつけて欲しいことをご紹介します。

小学校1年~3年生(6歳~9歳)

少しでも中学受験を考えているなら、家庭学習の習慣や語彙を強化する読書習慣など受験にプラスになることを身につけるようにしましょう。とくに学力の土台である読み書きそろばんを軽視することなく、努力を続けられるよう意識してください。

いくら学力が高くても、努力を続けられるかどうかが中学受験の合否を決めます。小学校1年から3年までの間の家庭学習では応用的な内容の市販の問題集に取り組ませて入塾後の授業についていける学力を鍛えていきましょう。

小学校4年生(9歳~10歳)

中学受験をする子は親も教育熱心ですから「家庭学習習慣がある」「基礎学力がある」という子ばかりです。入塾してから勉強するという子は皆無で、組分けテストで容赦なく学力差が分かる世界です。

テストの結果も気になりますが、4年生の段階でヒートアップすると子どものやる気を失ってしまいます。

中学受験では親子ともども何かしらストレスを感じることがあるため、家庭の雰囲気が暗くならないよう気をつけるだけでなく精神的な強さも必要になります。

4年生の学びはまだ難しい単元は少なく、中学受験の勉強一辺倒になって追い込まないよう、息抜きなど適度にしましょう。

小学校5年生(10歳~11歳)

5年生は算数を筆頭に中学受験の入試で頻出の単元を学ぶ重要学年です。それに伴い学力が固定化していき、志望校や合格できそうな現実的な受験校を選定していくようになります。

しかし、まだ伸びる余地はあるので「この偏差値の幅で選ぶ」と決めつけないようにしましょう。

難しくなる学びの中で、受験する意義を考える子どももいます。そうした揺れ動く子どもの心情を察知して中学校生活が分かる学校見学や説明会に参加して「頑張ってあの中学に合格する」と苦しい中学受験をやり抜く気持ちを持つきっかけを作るよう意識してください。

小学校6年生(11歳~12歳)

小学6年の夏休みが入試前、最後の「まとまった勉強時間を長期間確保できる時期」になります。その一方で、受験学年ですから夏期講習で塾にいる時間も長くなるため個人的に不安を感じる教科や単元に力を入れる余裕はありません。夏休みに入る前までに「復習をしておきたい箇所」をピックアップして取り組ませるのがベターです。

中学受験は地域によって入試日は異なりますが概ね1月から2月上旬に集中します。中学受験をする子ども達は誰もが必死に勉強しているため、直前期になって急激に成績が伸びることを過度に期待しないよう模試や志望校別のテストの結果の推移を把握しましょう。

【高校受験】多くの子どもが初めて経験する受験、高校受験

地方の多くの子や、大都市圏でも中学受験をしなかった子が挑む高校受験。

地方の多くの子や、大都市圏でも中学受験をしなかった子が挑む高校受験。とくに気をつけて欲しいのが内申書の存在です。

基本的に入試の点数で合否が決まりますが、偏差値の高い公立高校を目指す場合は「生徒会役員についていてほぼオール5」という各中学校の成績優秀者が受験ずるため、進学校を目指す場合は学校生活や授業態度も気をつける必要があります。

小学校の6年間と違い中学は3年しかないので入学したとおもったらあっという間に受験学年となります。ここでは高校受験に向けて各学年で気をつけるべきポイントを取り上げていきます。

中学校1年生(12歳~13歳)

小学校生活と中学校生活で大きく異なるのが部活動と定期テストの存在です。部活に入れば学校にいる時間が長くなり、帰宅時間が遅くなります。

そして、小学校の頃は単元ごとに行われていたテストが年に数回の定期テストに代わります。テスト範囲も広く学習計画を立てて地道に継続して勉強できなければ成績上位層には到達できません。

中学校1年の頃は高校入試はまだ先のことのように思いがちですが、成績はそう簡単に上向きにはならないです。志望校を決めるのも早くはなく、「この高校に行きたい」と目標を定めるようにしてください。

そして、授業を妨げるなど教科の評定を下げるような言動をしないよう話してください。

中学校2年生(13歳~14歳)

思春期真っ只中で親の言うことを素直に聞けない子が増えてきます。また、中学校生活に慣れてくることで起きる「中だるみ」もありますが、中学2年の学習単元はどの教科も入試で出されものが多く重要な学年です。

ターゲットとしている高校のレベルを下げると甘えが出てしまい、さらに成績が下がる恐れがあります。

自治体模試を受けて志望校判定をみて自分の実力を正確に捉えつつ、苦手教科や単元を把握して克服するよう学習計画を考えさせ、時には親が確認してください。毎日継続して勉強して力を蓄えることが大切です。

進学校を狙う子は学習時間も多く「進学校を目指す層」から離脱しないよう気をつけましょう。

中学校3年生(14歳~15歳)

受験学年となる中学3年生は4月から夏休み前にかけて修学旅行や部活の大会とイベントが目白押しです。本格的に受験勉強モードになるのが夏休みに入ってからですが、性格によってはのんびりしたり現実逃避をする子もいます。

受験日はもう固定されており、そこに向かって勉学に励むしかないということを伝えてください。

中学3年の夏休みは受験前の「たくさん勉強できる期間」になります。この時期にどれだけ勉強できるかがカギとなるので、塾の自習室の利用やスマートフォンの制限などをして勉強できる態勢を作りましょう。

【大学受験】親世代の受験状況とは違う今の大学受験

親世代の頃と大きく変わっている大学受験。

親世代の頃と大きく変わっているのが大学受験です。筆記試験以外に推薦入試、総合型選抜や各大学独自の入試も加わっただけでなく、入試によっては願書提出も秋頃からスタートするなど長期間かつ多様化しています。

以前のように「高校2年の冬頃から考えれば良い」ではなく、利用する入試によっては高校入学と同時に受験を意識する必要があります。

高校1年生(15歳~16歳)

晴れて高校入学、または中高一貫校であれば高校進学して「学校生活をエンジョイしたい」「青春したい」と思っていても、大学入試を念頭に入れて勉強や課外活動に励む必要があります。

指定校推薦であれば定期テストや学校内外での活動が重要視されます。とくに人気のある大学の指定校推薦を得るには校内選考を勝ち抜かなければなりません。部活での活動や生徒会に入ることだけでなく既定の評定や成績をとる必要があります。

筆記試験での進学を考えている場合も、大学入試は全国規模なため「全国の中で自分の実力はどのくらいのものか」を考えさせるよう親子で話をしましょう。

大学入試は子ども主体となって進みますが、情報も多いため親も積極的に入試制度を調べておくようにしてください。

高校2年生(16歳~17歳)

文系と理系にクラス分けされ、具体的な進路を考える学年です。とくに文系では国公立か私立大学を検討するケースも増えてきます。私立大学では2023年度入学者のうち58.7%が筆記試験以外の入試で入学しています。

私立大学では2023年度入学者のうち58.7%が筆記試験以外の入試で入学している。

私立大学を第一志望にする場合は「どの入試を活用するか」を具体的に考えて対策を考えなければいけません。

小論文や面接が課されるので筆記試験とはまた違う対策を講じなければ突破するのは難しいです。入試で有利になる資格を取るなど、受験に備えて動き出すようにしましょう。

国公立大学志望者はまずは共通テストで良い点数を取らないと志望する大学合格を手繰り寄せることができません。学校の勉強だけでなく、共通テスト対策も日頃の勉強でしておくのが無難です。

高校3年生(17歳~18歳)

いよいよ受験学年となる高校3年生になったとはいえ、早い生徒は秋から入試がスタートします。長丁場の戦いが始まりますが、全国相手の入試ということもあり自分の学力をどれだけ上げていけるかが全てです。

学部学科によっては倍率も高く、不合格となる受験生の方が圧倒的に多い入試も珍しくありません。

国公立大学志望者は共通テストの結果を受けて志望校を変える受験生も多いので、「共通テストでこうなったらこの大学を受ける」と複数のパターンを想定しておくと万が一にも思うような点数が取れなかった時にショックを引きずらないで済みます。

どの家庭にとっても受験生のいる年は事前準備が重要なカギ

子どもが受験生となると、その一年は受験を軸とした日々を送ることになります。

受験する年は生まれた時から知ってはいるものの、いざ近づくと親も気が気でなく「進路はどうするか」「合格できるか」と不安を感じるようになります。

受験は子どもがするものですが、そばにいる親にとっても一大イベントです。「あと何年後」と本番までの時間を把握しているからこそ、事前準備をしっかりして臨むようにしたいですね。

参考資料

  • コアネット教育総合研究所【入試概況レポート】2024年首都圏中学入試総括レポート(PDF)
  • 文部科学省「令和5年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム