投資をはじめたいけど、できれば失敗したくない…今こそ知っておきたい3つの「落とし穴」とは?

2024年から始まった「新NISA」に関する意識調査もチェック

2024年から新NISAが始まり、投資に関心がある方も増えたのではないでしょうか。

また先月には日経平均株価が最高値を更新し、投資の始め人が多いかもしれません。

現在株価の調子が良いといっても投資には、リスクはつきもの。しかし、投資初心者や未経験者が運用をスタートする上でやってはいけないこと・避けた方がよいことは存在しています。

今回は、投資を始める方の参考になるリスクについてご紹介できればと思います。また、新NISAに関する意識調査結果もあわせて確認していきましょう。

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落とし穴①:知り合いや有識者にすすめられるがままの購入

投資をはじめたばかりの人は、知り合いにすすめられたり、アナリストのレポートを読んでおすすめされたりした銘柄をそのまま購入してしまうことが多々あるかと思います。

それが「絶対に悪い」というわけではないですが、その銘柄を選ぶ理由を明確にしておかないと「不用意なリスク」を取ることになるのです。

それは、自分のなかで優先順位をつけたり判断したりできず運用全体を管理しきれないため。アナリストがある銘柄をすすめる背景や理由を理解しておかないと、本当の意味でのリスク管理には到底つながりません。

人がすすめる銘柄をそのまま買うのではなく、自分なりに「理由」を理解してから買いましょう。「業績が良い」「決算が予想を上回る好調さだった」「新作が出て今後の売り上げ大幅増が期待できる」などの目に見えるだけでも理由は多々あるはずです。

その理由を知ったうえで「その株価上昇がいつまで続くのか」も予想しておくとよいでしょう。

株主優待や配当などを目的として、長期保有だと割り切って保有するのなら話は別ですが、もし短期で保有しようと思っているのなら理由や背景への理解を深め、それに対するリスクヘッジ策を考えておきましょう。

落とし穴②「投資先」と「時間」の分散を考えずにまとめて購入

「投資にはリスク分散が大事」と耳にしたことがある方も多いと思います。

たとえば投資先を分散しようと思いたったとき、同じ「内需関連株」と呼ばれる不動産株や百貨店株を買うのは好ましくありません。内需が落ち込んだ時に、一緒に株価が下落してしまう可能性が高いためです。

リスク分散のために投資先を分散させることが目的なので、同じような値動きをしてしまう株を買うのは避けましょう。

投資先を分散するときには「同じような値動きをしないこと」を一つの基準として選ぶのもひとつの手です。

また、投資先だけでなく「時間」の分散も考慮する必要があります。

時間の分散とは、一度に投資してしまうのではなく複数回に分けて投資するということ。これによって買った価格や売った価格が平均化され、大きな失敗を避けやすいメリットがあります。

初心者の方は一度にすべての資金を使って購入するのではなく「毎月〇万円」というように、複数回に分けて購入するようにしましょう。

長期的な購入という意味では、まず新NISAの「つみたて投資枠」の利用を検討するのもよいでしょう。

【新NISA】「つみたて投資枠」「成長投資枠」の概要

落とし穴③「損切りのルール」を決めずに売買する

投資をはじめたばかりの人にはハードルが高くなりますが「損切りのルール」は決めておくべき事項です。

「損切り」とは、損失が出ている状態で保有している株を売り、損を確定させること。腐ったミカンの話のように、早めに損を確定させることで、深い傷を負うことがなくなります。

さらに、一旦損を確定したあとで、その資金をほかの投資先に振り向けることも可能です。

損切りルールを決めるには、いくつかの方法があります。簡単なのは、自分が許容できる範囲の株価下落を計算してルールを設定する方法です。

たとえば、1株1500円の株を100株保有しているのなら、15万円の評価額となります。自分の中で3万円の損が線引きと思っているのなら、単純に「株価が1500円から1200円に300円下落したら損切りとして売り注文を出す」と決める方法が最も簡単です。

ただし、その銘柄の株価の変動幅を考慮して損切りラインを設定する必要があります。日頃からどのくらいの値動きがある銘柄なのかはチェックしておきましょう。

「安いから買う」の実践には多少リスクあり

株式投資で「株価が安いから買う」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

たしかに安いときには買いたくなりますが、安くなったら買うのが必ずしも正しいとは言えません。安くなるのには当然理由があり、そのほとんどは悪い理由です。業績が悪いとか、ネガティブなニュースが出たなどの理由によって株が売られ、株価が下落し安くなるというのがほとんどのパターンです。

良いニュースが出たらみんなその株がほしいので株価が上がることが多いです。

ただ、「安いから買う」は間違いとも言い切れません。厳密に言うと「安い」はただの「安い」ではありません。「その企業の評価に比べて株価がまだ割安だったら買うべき」というのが正しい投資行動なのです。

今の価格がどれだけ安いのかということばかり見るのではなく、割安であるかどうかを見るPBRやPERなどの指標も一緒に見るとよいでしょう。

新NISAには認知と利用のギャップも…最新の意識調査をチェック!

2024年1月、楽天インサイト株式会社が「資産運用に関する調査」を実施。

全国の20〜69歳の、資産運用の開始時期や開始理由、そして「新NISA制度」の認知状況が浮き彫りとなりました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20歳~69歳
  • アンケート母数:男女合計1000名(全国)
  • 実施日:2024年1月15日(月)~16日(火)
  • 調査会社:楽天インサイト株式会社
  • リリース公開日:2024年2月13日

【新NISA】制度の認知度は82.4%。一方、利用者は24.2%にとどまる

【新NISA】認知している人は8割以上、利用者は2割半ば

そもそもNISAとは、個人の資産形成を支援するために2014(平成26)年に始まった「少額投資非課税制度」のこと。

そして2024年からスタートした「新NISA」は、年間最大投資額360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯投資枠1800万円(うち成長投資枠1200万円)まで投資して得られた利益が非課税になる税制優遇制度です。

調査内で「新NISA制度」の認知・利用状況を聞いたところ、「内容はよく知らないが、聞いたことがある」が37.6%で最多でした。

そのあとに「内容も含めて知っており、すでに利用している」(24.2%)、「内容も含めて知っているが、利用はしていない」(20.6%)、「知らない」(17.6%)が続きます。

「知らない」回答者を除いた数値を認知度と捉えると、82.4%。8割以上の人が新NISAを認識済といえるでしょう。

しかし、認知と利用の割合には大きなギャップがあります。

まとめにかえて

今回は「投資をしてみたいけど、損はしたくない」という人がやってはいけない行動についてご紹介してきました。

やはり投資を始めたばかりでは、分からないことも多いかもしれません。しかし、情報をうのみにせず、きちんと理解することを端折ってはリスクを被ってしまう可能性が高まります。

今は情報が溢れている時代。そのため正しい情報を選択することが必要です。正しい情報を集め、2024年良い形で投資のスタートを切れると良いですね。

参考資料

  • 一般社団法人投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書-2020年(令和2年)投資信託全般」
  • 金融庁「投資の基本」
  • 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」
  • 楽天インサイト株式会社「資産運用に関する調査」(PRTIMES)

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