オスプレイ墜落で捜索に携わった漁師たち、運用再開に思い複雑…不具合の詳細非公表「やっぱりか」、有事に備え「飛行再開は仕方ない」 鹿児島・屋久島

〈資料写真〉墜落したオスプレイの機体の一部とみられる漂流物を引き揚げる漁師=2023年11月30日、屋久島町の安房港

 米軍が輸送機オスプレイの飛行停止措置を解除したことを受け、墜落事故が沖合で起きた鹿児島県・屋久島の漁師からは9日、「事故の原因や今後の安全対策を具体的に示してほしい」「飛行再開も仕方ない」などの声が上がった。

 墜落直後の捜索などに携わった漁師らが所属する屋久島漁協の羽生隆行組合長(73)は「悲惨な事故が再び起きてはならない。原因や安全策を示すべきだ」と求めた。

 木原稔防衛相は9日、米側から事故原因となった部品の不具合や安全対策について「前例のないレベルで詳細に報告を受けた」と強調し理解を求めたが、不具合の内容は公表されていない。羽生組合長は「米軍はこれまでも内部情報を一切明らかにしなかった。やっぱりかという印象だ」と諦めもにじませた。

 乗員の捜索や機体部品の回収に協力した漁師の川東守昭さん(75)は「南西諸島などでの有事に備え、オスプレイが飛ぶこと自体は仕方がないと思う。日米政府が安全を確認したと言うなら、信じるしかない」と話した。

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