FC町田ゼルビア、初J1で開幕からセットプレー以外無失点!黒田剛監督が語った「その理由」とは

FC町田ゼルビアは9日、明治安田J1リーグ第3節で鹿島アントラーズと対戦。

ガンバ大阪、名古屋グランパスに続く、Jリーグの“オリジナル10”との一戦は、町田が13分に平河悠のゴールで先制。追加点を奪うことはできなかったがそのまま1-0で逃げ切った。

前節の名古屋戦で記念すべきJ1初勝利をあげ、11,901人が詰めかけた今回の試合でホームでのJ1初白星を手にした町田。しかも相手は、Jリーグ最多のタイトル数を誇る鹿島だ。

「過去20冠を獲っている鹿島、歴史的に本当に名高い鹿島が相手ということで、リスペクトの気持ちをしっかりと持ちながら、我々もそれに負けないだけ奮起しようということで入りました」と町田の黒田剛監督は振り返る。

町田は惜しくも得点には至らなかったものの、キックオフ最初のプレーから平河がゴール前へ惜しいクロスを上げるなど、立ち上がりからゴールへの意欲を感じさせた。ただ先制後、オ・セフンが何度か訪れた決定機を決められず。「流れ的に嫌な感じはしていました」と語った黒田監督だが、チームとして揺らぐことはなかったようだ。

「我々としては、クリーンシートで行くこと。どんな状況でもブレたり自滅したりすることなく、時間をうまく使いながらこの1点をしっかりと保持し、2点目3点目を狙っていこうという意識付けを選手たちにはしていました。その後も何回かチャンスはありましたし、それを決めて2-0、3-0がもちろんベストでしょうけど、最低でも1-0で勝ち切るというところを彼らはしっかりと遂行してくれました」

G大阪、名古屋、そして鹿島と、Jリーグの歴史を作ってきたクラブと開幕から3連続で対戦し、2勝1分の無敗。初のJ1でも臆することなくプレーする姿が印象的だ。

「3戦目とはいえ、J1で、ホームで初めての勝利ということで、ファン・サポーターに本当に明るい話題を提供できたことをすごくうれしく思います。同時に、ここまでまだ無敗ということで、2勝できているということは大いに自信になります。トレーニングゲーム(練習試合)を通じて、J1と数多く昨年から対戦していますけど、その中でも、かなり手応えを感じてきています。選手たちには苦手だったり(J1)初参戦だからといって変に気持ちがマイナスになることなく、確信に変えて、自信をもってぶつかっていこうと。我々にとって失うものは何もないので、そういう意味では開き直って思う存分サッカーができるということに関して言えば、ある意味精神的に優位に立ちながらできるのではないかなと思っています。今日の1勝はさらにそれに輪をかけて、うれしいというかそういう感情です」

町田はこれで2試合連続のクリーンシート、開幕3試合で1失点はリーグ最少タイであり、しかも唯一の失点はG大阪戦で決められた宇佐美貴史のフリーキック弾と、流れの中から1ゴールも許していない。

「前からのプレス、規制によって制限できているところもありますし、(相手の)クロス本数を減らすこと。またはクロスの守備というところで、(中で)フリーにさせないことや背中に潜り込まれないことをかなり細かく調整してチャン・ミンギュもイブラヒム(ドレシェヴィッチ)もやってくれているなと。変にフリーの状態で打たれる局面もなかなかない…そういうシチュエーションを作らせない分決定打になっていないと言えると思います。キャンプからしっかりと積み上げてきたこと、または昨年から町田が志向してきたことをしっかりと彼らの高いレベルの中で順応し、実践してくれている成果じゃないかなと思います」

首位サンフレッチェ広島、柏レイソルと同勝点の暫定3位につける町田。次戦は16日(土)、北海道コンサドーレ札幌とアウェイで対戦する。

「この間まで首位だった鹿島に近づくことによって我々が順位を上げていく、または上に食らいついていく。そういった思考をみんなで共有して、パワーを持ってやれたことが本当に良かったかなと思います。勝点7までとりあえずは3節で取りましたので、これをしっかりとさらに伸ばせるように、チームでもう1回気持ちを引き締めて、来節のコンサドーレ戦、頑張りたいなと思っています」

【インタビュー】青森山田高正木昌宣監督に聞くJ2町田ゼルビア黒田剛監督から学んだマネジメント、受けた刺激

昨季のJ2でも開幕戦で引き分けた後、2連勝で勢いに乗ったFC町田ゼルビア。その時は連勝を6まで伸ばしただけに、J1でも彼らの快進撃が続くのか大いに注目したい。

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