大事な血税よ、県民はもっと怒りなさい…デヴィ夫人が鹿児島県の新体育館整備計画を非難「桜の木を何万本も植えた公園がいい」 来場1000人に持論

ドルフィンポート跡地への新総合体育館整備について反対するデヴィ夫人=9日、鹿児島市山下町

 鹿児島市の鹿児島港本港区エリアのまちづくりを考えるシンポジウムが9日、山下町の宝山ホールであった。タレントのデヴィ夫人が基調講演し、県がドルフィンポート(DP)跡地で進める新総合体育館整備は景観を損なうとして反対を訴え、「県民がもっと怒るべきだ」と呼びかけた。

 デヴィ夫人は同エリアについて「桜島を見渡せ、海外からたくさんの観光客が訪れる素晴らしい南の玄関口になる」と評価。「桜の木を何万本も植えた公園にすればいい」と持論を展開した。

 事業費が基本構想より約68億円増え、最大313億円に膨らむことも問題視し「県民の血税から払うことになる。しっかり声を上げて計画を止めるべきだ」と主張した。

 パネリストとして登壇した同市出身の建築家、政所顕吾さんは姉妹都市盟約を結ぶイタリア・ナポリ市と比較し、「本港区エリアは海沿い空間に一貫したストーリーがない」と指摘。「DP跡地に体育館を建てることがふさわしいのか県民で議論すべきだ」と話した。タレント神田うのさんも登壇し、桜島の眺望を絶賛した上で「別の場所に建てた方がいい」と述べた。

 市民団体「世界一美しい活火山・桜島を世界に発信する有志の会」(今井千恵代表)が主催。同会によると、市民ら約1000人が来場した。同市吉野町の中渡瀬麻美さん(40)は「新しく建てる体育館に将来の鹿児島を盛り上げる役割が担えるのか。疑問を感じている」と話した。

〈関連〉シンポジウムに特別ゲストとして駆けつけたタレント神田うのさん=9日、鹿児島市山下町

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