45年間ありがとう 保育拠点、歴史に幕 奥州・水沢みなみ保育園

閉園式で別れの歌を歌う園児

 奥州市立みなみ保育園の閉園式が9日、同市水沢真城字上野の同園で行われ、45年間にわたる地域保育の拠点を担った施設の歴史に幕を閉じた。

 設置者の市関係者、佐々木健園長ら職員、園児、保護者、来賓の約50人が出席。倉成淳市長は「先人が築き上げた文化、育ててきた地域の誇りが未来に受け継がれていくと信じている。巣立った子どもたちが未来へと力強く羽ばたいていくことを心から願う」とあいさつ。

 続いて佐々木園長が、園舎そばのみなみっこ農園開設による園児の農作物収穫体験など、45年間の歴史を振り返りながら「閉園は寂しいが、就学前保育の役割を果たしたと思う。当園を見守ってくれた地域の方々に感謝申し上げたい」と語った。同園閉園記念実行委員会の小岩敬一委員長が祝辞を述べた。

 5歳児の8人全員が同園への別れの歌を歌い、最後に「ありがとう、みなみ保育園。さようなら、みなみ保育園。ずーっと忘れません」と声高らかに感謝の言葉を披露した。

 同園は1979年4月に創立。住宅団地のそばに建設され、真城地区の子育て拠点施設となっていた。少子化などにより、2017年度に市が策定した保育施設の再編計画で廃止が打ち出され、24年度末での閉園を予定していた。23年度の園児が5歳児8人のみの在籍となったため、市が1年前倒しで閉園を決めた。これまでの卒園児は669人。

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