マルティンがポール・トゥ・ウインで開幕戦スプリントを制し好発進/第1戦カタールGP

 3月9日、ロサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたロードレース世界選手権第1戦カタールGP。セッション2日目に行われた予選ではホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)がポールポジションを獲得し、スプリントでも勝利を挙げた。

 2024年シーズンの初戦となったカタールGPは、初日の午後から豪雨の影響によりMotoGPクラスのスケジュールが変更となった。フリー走行1回目の後にフリー走行2回目が実施され、土曜日に予選Q1・Q2を分けるプラクティスが行われた。

■プラクティスで上位12名のライダーがレコードブレイク

 45分間のプラクティスは気温27度、路面温度44度のドライコンディションで開始された。最初の計測ではマルティンが1分52秒606でトップに立ち、2番手にラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)、3番手にフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がつけていく。

 中盤頃にはペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)がトップタイムを塗り替えると、その後ミゲール・オリベイラ(トラックハウス・レーシング)が真っ先に1分51秒台へと突入させる。

アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)/2024MotoGP第1戦カタールGP

 そして残り10分、まずはマルティンが1分51秒262でトップタイムを更新すると、それに続いて上位勢が着々と1分51秒台をマークしていく。終了間際にはアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が1分51秒108でタイムを更新し、そのままトップでダイレクトQ2進出。

 2番手にはマルティン、3番手にはファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)が並んだ。そして昨年の王者バニャイアは4番手、ルーキーのアコスタは6番手、マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)は9番手でQ2進出を果たした。

 予選を前に、上位12名のライダーが2023年にルカ・マリーニが樹立したオールタイムラップレコードをブレイクする結果となった。そんな怒涛のプラクティスの後に、慌ただしく予選Q1がスタートした。

■初日総合トップのマルティンが予選最速でポール獲得

 予選Q1での最初のアタックでは、ラウル・フェルナンデスが1分51秒436でターゲットタイムをマーク。0.428秒差でマルコ・ベゼッチ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)がつける状況となり、一度タイム合戦が落ち着く。

 残り3分を切り、各車続々と最後のアタックへと向かうと、ホンダ勢のヨハン・ザルコが1分51秒537で2番手に食い込む。しかし、終了間際にジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がザルコのタイムを0.011秒上回る。それによりラウル・フェルナンデスがトップで、ミラーが2番手で予選Q2行きを手にした。

 ザルコはレコード更新の速さを見せたが惜しくもQ1敗退、そして今季コンセッション(優遇措置)を受けるホンダとヤマハ勢は1台もQ2進出を果たせていないという厳しい状況で予選を終える結果となった。

アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)/2024MotoGP第1戦カタールGP

 予選Q2ではファーストアタックから、マルティンが1分50秒789という驚愕のタイムを叩き出してトップに立つ。わずかに及ばずもディ・ジャンアントニオが2番手、バニャイアが3番手に、マルク・マルケスが4番手に続いた。

 セッション終盤のラストアタックではバニャイアを始め次々と1分50秒台をマークするライダーが増え、チェッカー終了間際までタイム合戦が続く。しかし、マルティンのタイムを更新するライダーは最後まで現れず、そのまま堂々の開幕戦ポールポジションを獲得した。

 アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)は0.083秒及ばず2番手、3番手にはエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)が並んだ。4番手にはビンダー、5番手にバニャイア、6番手にマルク・マルケスとなった。

 ルーキーのアコスタは8番手と健闘を見せ、プラクティスでトップタイムをマークしたアレックス・マルケスはタイムが伸び悩み9番手にとどまった。

予選トップ3のホルヘ・マルティン、アレイシ・エスパルガロ、エネア・バスティアニーニ/2024MotoGP第1戦カタールGP

■スプリントはマルティンがポール・トゥ・ウイン

 すっかり陽が沈み、ライトアップされたコース上では現地時間19時にドライコンディションの下で11周のスプリントがスタート。ポールスタートのマルティンがトップを維持したまま1コーナーに入ると、背後に4番手から抜群のスタートを決めたビンダーが続いた。

 その後ろにバスティアニーニがつけるも、早々にエスパルガロとバニャイアに交わされてしまう。2周目にはトップ2台がやや抜きん出る形となり、やや遅れてエスパルガロを捉えたバニャイアが追う展開となった。

 後方ではスタートで少し出遅れたマルク・マルケスが、ファステストをマークしながら追い上げを図っていく。6周目にバスティアニーニのミスをついて5番手、翌周にはエスパルガロを交わして4番手まで浮上する。

 レース折り返し頃になると、トップ3台は等間隔にギャップが広がりつつあったが、マルク・マルケス、エスパルガロそしてバスティアニーニの4番手争いが激昂していく。バニャイアに迫る勢いを見せるマルク・マルケスだが、一瞬のミスで5番手に後退し、そのままエスパルガロから離されていく。

 最終ラップを目前に、猛攻を続けるエスパルガロがバニャイアをホームストレート上で仕留めて再び3番手に浮上。先頭のマルティンはビンダーの追撃を受けながらも、最後までトップを譲ることなくチェッカーを受け、開幕戦のスプリントをポール・トゥ・ウインで飾った。

 そしてマルティンを終始追っていたビンダーは2位、最後猛チャージしていたエスパルガロはわずかに及ばずも3位を獲得した。終盤まで3位を守っていたバニャイアは4位、ドゥカティで初レースのマルク・マルケスは5位という結果となった。

 アコスタは8位で終えて、MotoGPクラス初戦でポイントを獲得。16番手スタートとなったヤマハのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)が12位で日本メーカーとしては最上位、ホンダのジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)は16位。唯一のフロント、リヤともにソフトタイヤを選択して挑んだ中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は19位で終えている。

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