「イスラエルを見捨てない」 米大統領、ガザには食料投下

パレスチナ自治区ガザ南部ラファで食事を求める子どもら=5日(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】バイデン米大統領は9日、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘について、避難民が集結する最南部ラファへの侵攻は、イスラエルが「越えてはならない一線だ」としながらも、「イスラエルを決して見捨てない。防衛は重要だ」と、同国の自衛権を支持する姿勢を堅持した。MSNBCテレビのインタビューに答えた。

 バイデン氏はイスラエルのネタニヤフ首相については「自国を救うよりも傷つけ、大きな間違いを犯している。私は停戦を望む」と批判した。米中央軍は9日、ガザ北部に食料と水を空中から投下したと発表。ガザ攻撃を続けるイスラエルを支援しながら、ガザに人道支援物資を送る米政権のジレンマが際立った。

 米軍はC130輸送機で少なくとも4万1400食分の食料と2万3千本の水のボトルを供給した。現地は治安が悪化し陸路での物資搬入と分配が難しいため、2日に空中投下を始めた。今後も実施する。

 国連によると、ガザでは50万人を超える人々が飢餓に直面しており、物資投下で危機が緩和できるかどうかは不透明だ。

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