ゴルフ松山英樹、2度目のマスターズ制覇へ高まる期待!アジア勢米ツアー最多勝の強さの理由

Ⓒゲッティイメージズ

2年ぶり逆転V、パット数23で62の猛チャージ

男子ゴルフのマスターズ覇者で31歳の松山英樹が2月18日、ジェネシス招待(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ・リビエラCC)で通算17アンダーの267で逆転優勝を果たし、米ツアーでアジア勢単独最多となる通算9勝目を挙げた。

最終日のパット数はわずか23。6打差7位からボギーなしの9バーディーで62をマークし、同じ8勝で並んでいた崔京周(韓国)を上回った。

首痛などの影響で昨年は成績が伸び悩み、9年連続で出場していたプレーオフ最終戦も逃した。だが年明けから体調を取り戻し、2022年1月のソニー・オープン以来、2年ぶりの栄冠で賞金400万ドル(約6億円)を獲得。

PGA公式サイトのインタビューでは「これ以上望めないっていうラウンドだった。ティーショットはあまり良くなかったけど、パッティングがすごく良かった」と松山らしく反省も口にしつつ「去年まで痛みがいつ出るのか不安の中でやっていたが、今年になってストレスフリーでできている」と晴れやかな笑顔でコメントした。

難コースで知られるリビエラCCでグリーン周りの小技もさえ、試行錯誤を続けてきたパットの開眼で復活を印象付けるタイトルとなった。

賞金ランク1位、イーグル数4位の爆発力

今季はまだ開幕して間もないが、ジェネシス招待は賞金総額が2000万ドル(約30億円)と高額でポイントの高い格上げ大会の一つ。松山は3月7日現在で今季の賞金ランキングは1位となっている。

ここまでのPGAスタッツを見ると、合計イーグル数は4位、バーディー数は32位とジェネシス招待で示した爆発力を秘めているのがうかがえる。

ドライビングディスタンスは296.60ヤードで89位と平均的な数字だが、データ上で際立つのがグリーン周りの小技の巧みさで30ヤード以内のショットは2位。ティーショットでフェアウエーを外しても、2打目以降のショットの正確さとグリーン戦略でしっかり勝負できる強さを改めて証明している。

4月11日マスターズ開幕

2014年のメモリアル・トーナメントで米ツアー初優勝を挙げてから10年。2021年のマスターズ・トーナメントで日本男子初のメジャー王者に輝いた松山は、4月11日開幕のマスターズで2度目の制覇に期待が高まる。

キャディーやコーチ、トレーナーで構成される「チーム松山」にとっても、2年ぶりの優勝は大きな一歩となった。憧れの名手タイガー・ウッズのホスト大会、ジェネシス招待で勝てたことも追い風になるだろう。

松山はPGAサイトで「この勝利を自信に変えて、マスターズまで時間あるのでさらに高めていければいい」と意欲を新たにした。米ツアー通算10勝目へ今回の優勝も通過点に過ぎない。



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