吉高由里子&岸谷五朗が「光る君へ」琵琶湖ロケを敢行。「久しぶりに空が広い外のロケでワクワク」

NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8:00ほか)が、滋賀県高島市内でロケを実施。ロケ現場で主人公・紫式部(まひろ)を演じる吉高由里子、まひろの父・藤原為時役の岸谷五朗が取材会に参加した。

「光る君へ」は、貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、世界最古の女性文学と言われる「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を描くもの。脚本は、同局の大河ドラマ「功名が辻」や連続テレビ小説「ふたりっ子」、「セカンドバージン」など、数多くのヒット作を放ってきた大石静氏が手掛けている。

今回の琵琶湖ロケでは、紫式部が生涯で唯一都を離れて暮らした越前に向け、琵琶湖を舟で移動するシーンなどが撮影された。

吉高は「今回の琵琶湖ロケは、久しぶりに空が広い外のロケでワクワクしています。実際に来てみると、朝と昼でも風の強さが全然違うんだなって、驚きました」と感想を伝え、「まひろとしては、先日放送した『遠くの国』(第9回のサブタイトル)というワードがずっと残っているんです。向こうへ行ったら、私の知らない世界。まひろのことも誰も知らない世界。そこで新しく生まれ変わることもできるんじゃないかという気持ちも込み上げてきます」と、まひろの心境を想像する。

そして、物語は5月放送分から「越前編」に突入。「越前編では、まひろは生きている価値というか、見当たらない志を模索して苦しんでいる時期でもあるんです。国司という父上の仕事姿も初めて目にして、父上と二人三脚で頑張ろうしていきます。そして、福井の熱がすごいんです! 『京都だけのドラマじゃないぞ』という、越前市をはじめ福井県の皆さんの熱もすごく感じていてうれしいです」と、今後の展開に触れる。

岸谷は「やっぱりこの琵琶湖の自然はすごいですね。まひろと一緒に舟で湖上に出たんですけど、風の勢いも感じましたね。当時は相当の志とドキドキで移動したんでしょうね」と思いをはせ、「越前の国司になるまでは、まひろとの関係性って父親と子ども。割とベクトルは向かい合っていたんですよね。親子でもめたり、いろんなことあったんですが、越前編では2人が一つのことに立ち向かっている感じが、初めて描かれるんです」と、まひろとの関係が変化していくことを示唆した。

続けて、「越前編では、まひろが自分の心と対峙(たいじ)したり、まひろの恋心がどうなっていくのかドキドキする父の気持ちもあったり。素晴らしい新たなキャストも登場するなど、『光る君へ』の画がガラッと変わります。われわれもびっくりするぐらいなので、見てくださっている視聴者の皆さんは、どうなっちゃうんだろう!というぐらいです」と、「越前編」への期待感をあおる。

番組を手掛ける内田ゆきチーフプロデューサーは「『越前編』は、同じドラマとは思えないぐらいに印象が変わると思います。松原客館に逗留(とうりゅう)する宋の人々や、当時とても貴重であった越前の紙に出合うなど、物語は大きな転換点を迎えます。特に、後に作家となる主人公のまひろにとっては、人生の中で最も大切な経験の一つとして見てもらえるとうれしいなと思っています」と予告している。

本日3月10日放送・第10話では、藤原兼家(段田安則)が、息子・道長(柄本佑)ら一族を巻き込み、秘密裏に花山天皇(本郷奏多)を退位させ、孫の懐仁親王(高木波瑠)を擁立する計画を進める。一方、まひろは家に帰らない為時を案じ、為時の妾(しょう)の家を訪ねる。そこには身寄りもなく、最期を迎えようとしている妾を看病する為時の姿があった。帰宅したまひろのもとに、道長からの恋文が届く。それを読んだまひろは、道長への文をしたためる――。

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