年収800万円もらう50歳代の珍行動 ~仕事をしないで、あとはゴールテープを切るだけの会社員~

社内での珍行動エピソードと若手の叫び… 仕事をしない理由を考察

頑張って会社に勤めて残り10年。「よく頑張った!私は卒業だ!あとは若者に任せるよ!」と、会社生活のフィナーレに向けて準備する50歳代社員は多くいます。

しかし、中堅社員から「自分より高い給料をもらっていて、その程度の仕事しかしないの……?」という意見が出てくることも。

そこで、本記事では「高年収なのに、50歳代になると仕事しなくなる社員」について触れていきます。バリバリに働く中堅社員がどう感じているのか聞いてみましょう。

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後はゴールテープを切るだけ! 年収800万円をもらっている50歳代男性の珍行動

「50歳代では年収800万円程度をもらっている」という大手企業の会社員たちからは、以下の意見が寄せられました。

50歳代男性の珍行動1:社内散歩・ダル絡み<自分は暇!社員の多忙は気にしない>

50歳代男性の珍行動

部下に仕事を任せているからか、仕事の能力の高さゆえか、仕事がすぐ終わってしまうKさん。仕事が始まって1時間で自分の仕事を終えると、社内を徘徊して談笑相手を探し出します。

話の内容は、大好きな車や酒の話ばかり……。ちょっとお酒の匂いがする日もあるのだとか。相手から話を切られるまで、延々と話を続けます。

部下は、「自分のことばかり優先し、他の社員の都合はお構いなしの立ち振る舞いは、本当に迷惑極まりない」と部下が不満のよう。「散歩するだけで給料をもらえている人だ」と感じているようです。

50歳代男性の珍行動2:意味不明の「カウントダウン」<考える暇あったら、仕事してください!>

ゴール寸前の50歳代社員は、なぜかカウントダウンを始めることがあります。「定年退職まで、あと〇年だから……」が口癖になりがちに。1時間くらい続くため、「年間65万円程度はカウントダウンでお給料をもらっているのでは?」なんていう声も。

聞いているほうは、オチの見えないつまらない話のおかげで、仕事の調子が狂ってしまうようです。「頑張ってきた功績をたたえてもらいたいのでしょうか?」と困惑です。

取材協力者の話によれば、なかでも59歳の男性は、パソコンのデスクトップに「ゴールまであと◯時間◯分◯秒!頑張れ俺!」のトップ画像を設定しているそうです。フリーソフトのカウントダウンタイマーを導入したのでしょうか。しかも、頑張れ俺って……。

「パソコンが遅いと言っているけれど、そのアプリのせいでは?」というツッコミまで入る始末です。

50歳代男性の珍行動3:「俺がいなくなったらどうなっちゃうの?」<言う暇があったら、教育して!>

口癖として「俺がいなかったら……」と愚痴をこぼす方も多いようです。確かに経験者がいなくなれば、業務は大変。ノウハウを持っている社員であればなおさらです。

熟練者のノウハウ継承は、偉大な大先輩達の大きな仕事。仕事のノウハウは非常に複雑で難しいものですから、伝えるのは大変です。呑気に世間話をして、油を売っている暇はないはず……。

ようやくゴールが見えた<50歳代男性社員>の平均年収は700万円以上?

年齢階級別の平均給与

国税庁が公表する「民間給与統計調査の概要(令和4年分)」によると、民間企業に勤める50~54歳男性の平均年収は737万円。全年齢階級の中で最も給料を多くもらっています。

<年齢階層別の平均給与>

  • 19歳以下:124万円
  • 20歳~24歳:273万円
  • 25歳~29歳:389万円
  • 30歳~34歳:425万円
  • 35歳~39歳:462万円
  • 40歳~44歳:491万円
  • 45歳~49歳:521万円
  • 50歳~54歳:537万円
  • 55歳~59歳:546万円(男性平均は702万円で最高平均年収)
  • 60歳~64歳:441万円
  • 65歳~69歳:342万円
  • 70歳以上:298万円
業種別の平均給与

全年齢を含めた業種別では、上位に電気・ガス・熱供給・水道業が747万円、次いで金融業・金融保険が656万円。ワーストには宿泊業・飲食サービス業の268万円と来るため、業種によっても、50歳代の年収は全く異なると考えられます。

平均的には高年収の年代ですが、上記のように50歳代会社員の評判はあまりよくないことがあるようです。「給料に見合う仕事をしていない」「存在が不愉快」などの意見が挙がってきます。「ゴールテープを目前に、仕事をしなくなる」と評する人もいます。

確かに、頑張っている中堅社員からすれば、最低限の仕事で満足できる様は、どうにも目に付いてしまうもの。定年退職のゴールが見えれば、向上心を忘れて、守りに入ってしまうのが人の性なのでしょうか。

50歳代の高年収会社員… その実力で会社を回して! と若手の叫び

珍行動を起こす会社員が高年収を獲得できた理由

国内でも生産年齢人口が減少しました。残された若手・中堅社員は忙しく、さまざまなことを気にかけなくてはいけません。結論のでない会議、周囲との人間関係、社内プロジェクトなど、数え切れないほどの悩みを抱えています。仕事をしない50歳代の手でも借りたい状況です。

もちろん、50歳代会社員の全員がそうではありません。会社を創り上げ、社会を回してきた猛者もたくさんいます。尊敬すべき方も一定数いるのも事実でしょう。その反動で、より「仕事しない50歳代会社員」が際立って見えてしまうのかもしれません。

世間的にも高額な給料をもらっている部類に入る50歳代会社員。その実力をもって「少しでも社会や会社がよくなるように行動してほしい」と考えるのは、仕方がないことなのかもしれません。

若手からの不満が上がりやすい現状

国内では戦後から、年功序列制度が主流でした。人材を長く雇用し、ノウハウを蓄積しやすいメリットがある制度です。経営層に、この考えが根強く残っている会社では、年数を重ねるだけでも資格等級・給料が上がりやすい傾向にあります。

そのため、50歳代の社員は、勤務年数さえ多ければ、高年収を獲得することは難しくなかったといわれています。

一方で注意するなどできない側面も

長い経験が彼らの武器です。社内や外注業者との幅広いコネクションがありますから、関係を下手にこじらせてしまうと、いざというときに助けてもらえません。

年下上司も、年功序列で生きていた世代の場合、下手に注意ができないのかもしれませんね。

参考資料

  • 総務省 「情報通信白書」第1部 特集 情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷~ (1)生産年齢人口の減少
  • 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

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