モバイル見本市で注目を集めた中国のスマホメーカー、背景に影響力向上とシェア拡大

スペインで2月末に開かれたモバイル関連見本市では中国のスマホメーカーの最新製品などが注目を集めた。背景には国内スマホブランドの絶え間ない影響力の向上とシェア拡大がある。

スペイン・バルセロナで2月末に開かれたモバイル関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2024」では、小米集団(シャオミ)や華為技術(ファーウェイ)など中国のスマートフォンメーカーの最新製品などが注目を集めた。背景には国内スマホブランドの絶え間ない影響力の向上とシェア拡大がある。

国営新華社通信によると、国内スマホ大手のOPPO(オッポ)は年明けに開いた新製品発表会で、新シリーズ「OPPO Find X7」を発表。カメラ機能を追求したほか、動作が遅くなるシステムラグに対しても特別なソリューションを用意した。

ファーウェイは春節(旧正月)連休明けに次世代の小型折り畳みスマホ「Pocket 2」をリリースした。ヒンジ部分に強度の高い鋼材を用いたことで折り畳み操作がよりスムーズになり、通信やバッテリー持続時間、放熱など技術的なボトルネックも解消した。

2023年8月に「Mate 60」シリーズを発売して以降、ファーウェイのスマホは勢いを盛り返しており、最新の市場データによると、同社のスマホは1月1日~14日の市場で19年にシェアを低下させて以来の国内販売台数トップに返り咲いた。

シャオミの「Xiaomi 14 Ultra」はAI(人工知能)大規模言語モデルのサポートにより写真データと情報をより多く取得し、画質をプロレベルまで向上。「OPPO Find X7」も大規模言語モデルに依拠したAI通話要約機能を持ち、通話の要点を自動でテキスト生成できる。

市場調査会社カウンターポイント・リサーチの最新リポートによると、中国のハイエンドスマホ市場は23年に規模を27%拡大。特に第3四半期(7~9月)以降は国内ブランドが市場で優位に立ち、この状況は24年も続くとしている。

中国のスマホブランドにとって、今年はメーカー各社によるAI戦略の発表というもう一つのトレンドがある。AIによるスマート機器の再構築は業界全体の共通認識となりつつある。

米調査会社IDCがこのほど発表した「AI携帯電話白書」は、次世代AI携帯電話の世界出荷台数が24年に1億7000万台となり、スマホ全体の約15%を占めると予測。中国市場では27年に1億5000万台に達し、シェアが50%を超えるとした。

新華社通信は「中国のスマホメーカーは現在、ソフトウエアとハードウエアの性能に対して高まり続ける消費者のニーズにイノベーションを通じて積極的に応えている」と報道。「一つ一つの新機能が中国企業の日増しに向上する研究開発能力と先進製造の実力を反映しており、国産スマホの躍進はハイエンド化へ向かう中国製造(メード・イン・チャイナ)の縮図となっている」と強調した。(編集/日向)

© 株式会社 Record China