自衛隊員「通路を開放して」 座り込み抗議の市民「沖縄を軍隊から解放しろ」 ミサイル装備を載せた車両、別ゲートから勝連分屯地へ

 沖縄県うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に、地対艦ミサイル部隊の連隊本部と新たな中隊を配備する計画を巡り、自衛隊は10日午前8時40ごろ、中城湾港から関係装備の搬出を始めた。約150人が北側のゲート前に座り込み、抗議したため、車両は南側のゲートから出て、勝連分屯地に向かった。

 午前8時過ぎ、船で運ばれてきた自衛隊車両約15台がゲートに列を作った。座り込む市民に自衛隊員が「自衛隊車両が通ります。通行の妨げになっています。通路を開放してください」と車内から何度も求めた。市民らは「開けない。その前に軍事基地を返還して、沖縄を軍隊から解放しろ」などと反論。「沖縄を返せ」を何度も合唱した。民間の警備員がゲートに立ち並び、沖縄防衛局の職員は港内の離れた位置から見守っていた。

 沖縄県警は午前8時15分過ぎ、「まもなく車両が通ります。危険です」と広報を開始。約10分後には「道路上に座り込む行為は道路交通法の禁止行為になります」と警告した。

 市民らの意表をつくように自衛隊車両は午前8時37分に、北側ゲートから南側ゲートに移動し、中城湾港から外へ出た。市街地を通行し、勝連分屯地へ向かっている。

中城湾港を出て、陸上自衛隊勝連分屯地へ向かっている自衛隊車両=10日午前8時50分ごろ、沖縄県うるま市内

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