大分市消防局、大分中村病院(同市舞鶴町)は9日、同病院が現在地に移転する前の建物(同市大手町)を活用し、地震の救助訓練を実施した。倒壊した病院から人を救い出す想定で、ハンマーで壁を壊すなど実践的な内容になった。
マグニチュード7.4の地震が起き、病院の中に患者6人が取り残された―との想定で、市消防局の隊員ら約30人が病院内を捜索した。個室の壁を削岩機などで壊して入り、閉じ込められた人を助け出した。
同局は国際消防救助隊に登録しており、海外で大規模災害が発生した場合は隊員が派遣される可能性がある。実績はなく、国外での活動も念頭に技術の向上を図った。
市消防局国際消防救助隊の教育訓練責任者を務める甲斐順平さん(41)は「実際の建物を使えて臨場感があった。救助が必要な人に一秒でも早くたどり着けるよう続けたい」と話した。
大分中村病院が旧病院の活用方法を模索する中で、訓練が実現したという。