高層マンション 松江城など5城で目指す世界遺産登録への影響「少ない」 上定昭仁市長

マンションの建設予定地(右)。隣接する松江センチュリービルは9階建て=松江市殿町

 国宝・松江城に近い松江市殿町の島根県庁前で建設予定の高層マンション(高さ57メートル、19階建て)について上定昭仁市長が8日、市が松江城など5城で目指す世界遺産登録への影響は少ないとの認識を示した。

 上定市長は定例記者会見で、世界文化遺産登録には周辺景観を守るための緩衝地域(バッファーゾーン)の維持が重要視されることから、高層マンションの乱立を防ぐ規制強化の必要性を強調。一方で、今回のマンション建設は乱立には当たらず、天守から見える山の稜線(りょうせん)の眺望を妨げていないことから「道が閉ざされることはないものと考えている」と、見解を示した。

 市は国宝指定された天守がある愛知県犬山市(犬山城)など計5市で連携し「近世城郭の天守群」として世界文化遺産登録を目指しており、市民団体や市議会の一部から、高層マンション建設が登録の妨げになりかねないとの声が上がっている。

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