盗まれた「ロードバイク」がフリマアプリで出品されていた…所有者怒り 9万円で自ら購入→全額返金された方法は?

自分の大切なものが盗まれ、その後フリマアプリやフリマサイトに出品されるという被害が近年、後を絶ちません。被害者の怒りの告白です。

インターネット上で、個人間で品物の売り買いができるフリマサイトやフリマアプリ。便利で多くの人が利用している一方で、盗品が出品されるなどのトラブルも相次いでいます。

被害男性(20代)
「盗まれた時点ですごく悔しかったんですけど、そこで発見して、犯人に怒りが込み上げてきましたし、何とかして自分の自転車を取り戻そうという気持ちになりました」

こう話すのは、サイクリングが趣味の20代の男性。
数年前、16万円で購入したロードバイクが自宅の自転車置き場から盗まれ、その後、フリマアプリ「メルカリ」におよそ9万円で出品されているのを見つけました。

被害男性(20代)
「盗まれたと気づいてから、自分が住んでいる地域の中古販売店に電話をして、盗まれた自転車と同じメーカー、色、形状の在庫があるかどうかを聞きました。
また、並行して自分自身でもフリマサービスで検索しました。「メルカリ」で自分と同じメーカーの自転車を検索していたら、似たようなものがあるなと」

出品されている自転車の写真を確認すると、男性が自転車を購入した店のシールが貼ってあること、転倒したときについた車体の傷、ペダルの形状などからこれが自分の自転車だと確信しました。そして…

被害男性(20代)
「出品されてる自転車を、僕自身が購入しました」

どうしても自転車を取り戻したかったという男性は、9万円を払って自分で購入したそうです。
しかし、ある対応を取ったことで、後に9万円は全額返金されることになりました。

被害男性(20代)
「購入したんですけれども、「受け取り通知」をしてしまうと、メルカリから出品者にお金が支払われてしまうので、「受け取り通知」をせずに本体が自転車自分の手元に帰ってきたタイミングで、警察に相談しました」

男性が無料で自転車を取り返すことができた仕組みはこうです。

まず、メルカリで品物を売り買いする場合、購入者は出品者ではなくメルカリに代金を支払います。
そして、出品者が品物を発送し、購入者が受け取り後に「受け取り通知」すると、メルカリから出品者にお金が支払われるという仕組みになっています。

今回の男性の場合、この「受け取り通知」をする前に、警察とメルカリ双方に相談しました。

そこで盗品だと認められたため、一度メルカリに支払った9万円をそのまま全額返金してもらえたということです。

自分の自転車も手元に戻り、盗品の出品者も特定。
これで一件落着かと思いきや…

被害男性(20代)
「出品者自体は犯人ではなかったと警察から聞きました。僕の場合は、たまたま自分で盗品を見つけることができたんですけれど、そうではなくても盗品が出品されてたりとか、そういうのすごくあるみたいです」

結局、自転車を盗んだ犯人にたどり着くことはできないまま。出品者は今でも同じアカウントで自転車の売買を続けています。

国民生活センターによりますと、こうしたフリマサービスに関する相談は、2013年度には269件でしたが、昨年度は6961件へと年々増加。10年間で実に25倍にも増えています。

なかには「購入したものが盗品だった」という相談もあるようです。
そんな時、どうすれば良いのでしょうか。何か罪に問われる可能性はあるのでしょうか?

高橋敬幸法律事務所 高橋真一 弁護士
「知らないうちに盗品を購入してしまった場合、これは罪になることは全くありません。
盗品であることを知って購入した場合については、刑法上の罪に問われますので、これは盗品であることを知ったりした場合は、すぐに警察に相談しなきゃいけないですし、購入してはならないということになります」

では、もとの持ち主に返還を求められた場合、返さないといけないのでしょうか?

高橋敬幸法律事務所 高橋真一 弁護士
「返してくださいという人が、自分のものであったことを証明すること。そして、これが盗まれたこと、盗まれたものであることを証明した場合は、持っている人は、自分が支払った代金を被害者に支払ってもらうことによって返還することになります」

つまり、被害者は「自分のものであること」「盗まれたものであること」を証明することができれば、法律上取り返すことができるというわけです。

ただ、返還を請求できるのは、盗まれてから「2年以内」という期限が設けられているということです。

一方、フリマアプリ「メルカリ」では、本人情報登録の必須化や24時間365日の監視など、盗品対策を強化しています。

利用者などからの通報を受け、出品物が盗品だと判断されれば、出品者の利用制限、捜査機関への通報など、状況に応じて対応しているといいます。

また、警察とも連携し、実際逮捕につながったケースもあるということです。

身近に潜む、フリマサービスに関するトラブル。品物を購入する際、しっかりと吟味する必要がありそうです。

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