合格発表

 あ、あった。長かった努力と我慢の日々が報われる瞬間だ。歓喜が押し寄せる。〈人垣をかき分け背伸び/掲示板の249が涙でかすむ〉鈴木さらら@中学受験。受験の子を持つ母親が自身の思い出を詠んだ一首だ▲歓声とガッツポーズと祝福の胴上げ。何度探しても見つからない自分の番号。リベンジを期して立ち去るキャンパス…入試の合格発表、掲示板の前の悲喜こもごもは今の季節の風物詩だが▲そんな風景もやがて“前時代の遺物”になるのかもしれない。ネットでの合格発表が主流になりつつあるようだ。長崎大も構内での発表をここ数年取りやめている。密を嫌った新型コロナの日々の副産物ですね-と担当記者▲かくして、令和の受験生の「春」はまず手元のスマホに届く。とはいえ、発表の形が変わっても、結果がアップされる時刻を今か今かと待つ時間の長さや、番号を探す緊張は変わるまい。自分の番号だけが明るく光って目に飛び込んでくるあの感じも▲一昨日は長崎大の一般選抜前期日程の合格発表だった。合格者数は1228人、競争率は2.2倍。合格された皆さん、おめでとうございます▲他県の出身者が7割を超えたと記事にあった。「第二のふるさと」に選んでもらえることを喜びたい。ようこそ長崎へ…ちょっと気が早いか。(智)

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