市ノ瀬加那,浦和希主演声優賞 第18回声優アワード授賞式レポ

今年も華やかに声優アワード授賞式が行われた。
つい先頃、『DRAGON BALL』や『Dr.スランプ』などで知られる漫画家・鳥山明さんの突然の訃報、さらに授賞式前日にはアニメ『ちびまる子ちゃん』でまる子を演じ続けてきた声優のTARAKOさんが3月4日未明に逝去、更なる訃報。よって急遽、黙祷の時間が設けられた。
声優アワードは今年で18回目を数える。声優界の”アカデミー賞”とも言える賞、人気、実力ともに揃った声優の方々と、長年にわたって活躍するベテラン声優が一堂に顔を揃える。
最初にMCより声優アワードの概略がアナウンスされた。今回、富山敬賞と高橋和枝賞が、富山敬・高橋和枝賞に統合された。多様性の尊重・ジェンダーフリーに鑑み、授賞部門の名称が変更。なお、前回の第17回(2022年度)からは、具体的には「主演」「助演」「新人」3部門の男女別を無くし、「主演声優賞」「助演声優賞」「新人声優賞」に統合されている。

最初に発表されたのは新人声優賞、伊駒ゆりえ、榊原優希、戸谷菊之介 原 菜乃華、羊宮 妃那が授賞。緊張の面持ちで登壇、プレゼンターからトロフィを受け取る。そして挨拶。伊駒ゆりえは「81プロデュースに入って2年半…皆様、キャラクター達がいてくださったからこの場に立てている、賞に恥じないように」とコメント。榊原優希は「夢のような感覚」と驚きを。戸谷菊之介は「作品、キャラクター、皆様との出会いがあったから…授賞は自信につながる…良いお芝居を」と決意を新たに。原 菜乃華は「何にもわからない私を支えてくださったたくさんのスタッフ、皆さん…賞の名に恥じないように」と語り、羊宮 妃那は「本当にありがとうございました(涙)、とても光栄です」と涙ぐみつつ。

歌唱賞は結束バンド (青山 吉能、鈴代 紗弓、水野 朔、長谷川 育美)。『ぼっち・ざ・ろっく!』の作中に登場するバンド、2023年1月4日付けのBillboard JAPANチャートでもHot Albums、Top Album Sales、ダウンロードアルバムのアルバム・チャート3部門でいずれも首位となった。
全世界、各国のチャートを集計して算出されたUnited World Chartのアルバムランキングでは2023年第2週に4位にランクイン、という快挙。
トロフィーは長谷川育美が受け取った。「結束の音楽が大好きです。想像を超える大きな反響をいただいて幸せです。作品の力、演奏してくださる方がいらっしゃるから、応援してくださる方、原動力です。まだまだ、結束バンドの音楽を届けていきたいです」と挨拶。

シナジー賞はTHE FIRST SLAM DUNK。宮城リョータ役の仲村宗悟が登壇。「僕はクリエイティヴが大好き、瞬間、瞬間の思いの積み重ねが次につながる、まさにシナジー、尊いこと。僕らがいなくなっても作品は残ります。全ての方に感謝を込めて」と挨拶。

ゲーム賞は『ファイナルファンタジーXVI』の内田 夕夜。控室で「新人賞の方々にみんな拍手で迎えていました」と語り、「クライヴ・ロズフィールドに出会わせてくださった皆さんと、クライヴ・ロズフィールドが出会わせてくれた皆さんに心から感謝します。僕はクライヴの青年期を、内田雄馬さんが少年期を…一緒にもらったのだと思います。コロナの波に負けない作品を作りました」とコメント。

キッズファミリー賞にはザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーキャスト一同。配給の東宝東和・堀内裕介が登壇。「大きなプレッシャーを感じながら仕事をしてきましたが、そのプレッシャーをもろともせずに皆さん、仕事をしてくださった、私は皆さんに寄り添っていました。日本語に拘って作ってきました」と挨拶。

富山敬・高橋和枝賞には岡村明美、佐々木望。岡村明美は『ワンピース』のナミ役がよく知られており、佐々木望は『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助役。
岡村明美は「偉大な先輩の背中を追うように頑張ってきました。これからは追われるような背中になれるように、そういう賞です、精進します!」
佐々木望は「岡村さんとは新人の頃からご一緒に仕事をしてきました。みんなで授賞しました」

功労賞に古川登志夫、山田栄子。
古川登志夫「好きな仕事をずっと続けてきました…授賞、大変嬉しく思います。生涯現役、数ある皆さんから私ごときに…お力添えを頂いた多くの皆様、キャラクターの方々。(声優は)世界中で高い評価、ゲストとして招かれることもあります。(鳥山明氏の訃報を受けて)改めて哀悼の意を評します」
山田栄子「」

それから特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰、奈良岡朋子、櫛田泰道、田辺宏章、池田一臣、入江純、茂垣周平、中庸助、一城みゆ希、北浜晴子、松井範雄、鈴木瑞穂の名前が上がった。

インフルエンサー賞は上坂すみれ。インスタグラム(2019年開設)のフォロワー数はおよそ54万人!X(旧Twitter)はおよそ37万人。「かっこいい賞を!びっくりしています!簡単なようで難しい…これからも引き続きインスタグラム、よろしくお願いいたします!」と挨拶。

外国映画・ドラマ賞は高畑 充希、村井 國夫。高畑 充希は 映画『バービー』(グレタ・ガーウィグ監督)日本語吹き替え版での演技が評価、村井 國夫は俳優・ハリソン・フォードの吹き替えを長年行ってきた。『スター・ウォーズ』シリーズのハン・ソロ役の声が最初。最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』も、もちろん!
高畑 充希「このような場は来られると思っていなかったのでメチャクチャ緊張しています」と言い「私は普段、肉体を使ってお芝居を使っていますが、声だけでお芝居をする声優さんたちをリスペクトしていて、到底辿りつけないと思い、近づけない、声優という仕事に苦手意識がありました。『バービー』のお話を頂いた時も『私で務まるのかな?』と不安がありました…どんな形であれ、関われて嬉しかったです」と緊張の面持ちで。

村井 國夫は「子供の頃は外国映画をたくさん観てみまして、テレビに釘付けになっていました『日本語の上手い外人さんだな』と…声優さんだった(笑)。45、6年前に『スター・ウォーズ』、その後に『インディ・ジョーンズ』、最後のシリーズ(2023年)も『やりたい』と思いました。ハリソン・フォードさんは2つ年上、昨年彼からメッセージを受け取りまして感動しました。声優として認められたんだな、と…これからも頑張って!声優の仕事は大好きです」と締めくくった。
それから授賞式の前に行われた新人オーデションの様子をMCを務めた久保アナが「初めて担当いたしまして、震えている方もいらしたり…でも声は堂々としてたり。夢を叶えた瞬間を見守りまして、心震えました」と語る。

そして助演声優賞、阿座上洋平、石見舞菜香、能登麻美子。阿座上洋平は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でグエル・ジェターク役、石見舞菜香は「『推しの子』」で黒川あかね役を能登麻美子は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のプロスペラ役。

阿座上洋平「この喜びをスタッフ、ファン、キャラクターの方々、かけがえのない人たちへ…両親の言葉『誰かを助けること』、”助演”、誰かの助けになれるように!」

石見舞菜香は「キャラクター、スタッフの皆さん…(泣)誇りを持ってこれからも!本当に、本当に、ありがとうございました!」

能登麻美子「どの作品も皆様と作り上げた、全ての皆様に感謝いたします。声優をやって20年ほど経ちます…(授賞は)大きな力、これからも精一杯」

MVS 〈Most Valuable Seiyu〉は中村 悠一、最も活躍した声優に贈られる賞。スケジュールの関係で残念ながら欠席。ご本人の声のメッセージが会場に。「この賞はファンの方々による選出、誠にありがとうございます。選んで頂いたのは、作品ありき、これからも役者としての励みとして受け取ります。ありがとうございます」

主演声優賞は市ノ瀬加那、浦和希。市ノ瀬加那はアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタ役で主演、そのほか『葬送のフリーレン』フェルン役などの活躍が評価。浦和希はアニメ『ブルーロック』潔世一役で。

市ノ瀬加那は「子供の頃から当たり前にあったアニメ、アニメから勇気をもらってきました。(ここにいることは)本当に幸せです。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主人公・スレッタ役を演じたから…スタッフ、スレッタちゃんには感謝しきれない感謝を…。本当に、本当に、本当に感謝しています。声優の表現の幅を見つけてより…まだまだ未熟ではありますが、自分なりの幅を、賞を励みに!」

浦和希「誉高い賞を…(感無量な様子)、昔、声優を志した頃から、声優アワードの存在は知っていました。いつか、とすごく思っていました。まさか…(泣)、主演声優賞嬉しく思います。評価していただけたことが信じられない気持ちでしたが、じわじわと…。面白いものを作り上げたという自負、魂を削って作品を作り上げてきました。(声優を目指した動機)何もかも放り出したいという時にアニメの主人公に心震わせてました、この縁がなければ…昔の自分みたいな人たちにこれからも届けていきたい、役者の心を育んで。世界一の声優を目指して…いや、世界一の声優になります!」と最後は笑顔で。

授賞式が終わり、選考委員の竹内宏彰より
「昨年からいち早く、男性、女性の性別はないと…ジェンダーを加味しました。作品に魂を入れる、声優さんの力です。鳥山明さん、TARAKOさんのような素晴らしい方々が日本の文化を…外国で観てる子供達は日本のアニメだということを知らないで観ている、声優さんの声が、先人たちの功労の賜物です。日本の声優は世界一、今日の声優さんたちは世界を背負って立つ方々。作品によって救われる、苦難を乗り越える、声で届ける、感謝です。本当に、本当にありがとうございます。褒めてやってください!!」と語った。

<第17回年授賞式レポ>

<第16回授賞式レポ>

<第15回授賞式レポ>

開催概要
タイトル: 第十八回 声優アワード
主催:声優アワード実行委員会
共催:株式会社 KADOKAWA、株式会社 文化放送、株式会社 小学館集英社プロダクション
後援:一般社団法人 日本音声製作者連盟、一般社団法人 日本動画協会、 一般社団法人 衛星放送協会
協力:一般社団法人 日本声優事業社協議会、協同組合 日本俳優連合、 TSUTAYA 、Rocket Base LLC

公式サイト: http://www.seiyuawards.jp

公式X: @seiyuawards

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