【早出し】訪日客向けにトライアルツアー 鶴岡・高校生がガイド役、昭和女子大が企画

ろうそくの絵付け体験で、留学生と会話する高校生ら=鶴岡市

 昭和女子大(東京)の学生たちは8日、鶴岡市内で地元高校生が外国人観光客のガイド役を担うトライアルツアーを企画した。大学と包括連携協定などで縁がある同市を舞台に、新たな観光振興策を提案するもの。インバウンド(訪日客)拡大に加え、子どもたちにも鶴岡の魅力を再認識してもらう狙いがある。

 学生5人のグループは昨年3月、地域課題克服に取り組むアイデアコンテストに応募した。同市の中高生と外国人観光客をつなぐ仕組みづくりが一定の評価を受けたことから、同大現代ビジネス研究所の認定プロジェクトとして、実現に向けた準備を進めている。

 昨夏には連携先に想定している市内の企業や国際交流の拠点である出羽庄内国際村を訪ねた。さらにトライアルツアーの資金を集めるためにクラウドファンディングを実施し、鶴岡南高生と連携し返礼品の観光マップ製作に取り組んだ。

 今回は、米テンプル大日本校の留学生4人の協力を得て観光客役に扮(ふん)してもらい、日帰りツアーとして実施した。鶴岡南高の生徒8人がガイド役を務め、国指定史跡の松ケ岡開墾場や羽黒山、致道博物館を巡った。富樫ろうそく店(山王町)では絵付け体験に取り組み、生徒は英語で会話しながら文化を伝えた。

 鶴岡南高2年渡部孝哉さん(17)は「古里の魅力をアピールすること、国際交流で英語を使う機会は貴重な経験になる。ツアーは時間配分などを改良すれば実現できる」と話した。昭和女子大3年中村玲季(たまき)さん(21)は「簡単な英語での会話が外国人に求められていることが分かった」と手応えを語った。今後は旅行会社と連携したツアー化、学生起業などを視野にプロジェクトを進めていくという。

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