“自軍投手のくせ” 盗め 黒田博樹アドバイザーから菊池涼介に特命 広島カープ 「優勝するチームの条件」

広島カープの 菊池涼介 選手とRCC野球解説者・天谷宗一郎 さんとの対談 ―。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
聞きたいことがあったんです。宮崎・日南キャンプの紅白戦でマイクを付けていたと聞いたんです。誰が付けてと? あれは何をしていたんですか?

広島カープ 菊池涼介 選手
(球団アドバイザーの)黒田(博樹)さんが、「ピッチャーのくせとか気づいたことがあるんだったら言ってほしいから、後ろから見て、『おれはこういうふうに思うよ』みたいなことを吹き込んでほしい」と。

天谷宗一郎 さん
野手ではなくて、菊池選手のバッター目線のピッチャーの印象?

菊池涼介 選手
印象ですね。こういうところが危ないんじゃないかとか、こういうところを見て、くせを見ているかもしれないよとか…

天谷宗一郎 さん
なるほど。

菊池涼介 選手
それは吹き込むんですけど、監督と黒田さんとは「今の入りはどうだったの?」とか、そういう話をするんですけど、3人で。でも、マイク自体は例えば「この変化球のときにこういうくせっぽくない?」とかそういうことを吹き込んでっていう感じです。くせを見る選手ってなかなかいなかったりするので、なんか少しでもヒントになればいいと思うし、「いやあ、黒田さんに言われたし、ここに座んないといけないな」と思って、まず。

天谷宗一郎 さん
プレッシャーになりますね。

菊池涼介 選手
でも、本当にあらためてピッチャーにも、例えばこういうグローブの使い方だったら、ここまで見えてしまうのでカーブだったらわかっちゃうんじゃないのとか、深いグローブだったら中に入っているのでわかんないけどって、そんな小ちゃいところです。そういうところとか気になるなと思って、自分のチームで。

天谷宗一郎 さん
確かにね。菊池選手がやっているんだったら(他球団も)絶対、見ていると。なるほど。完全にプラスになっていますよね。

年下の三好匠コーチ(30)

天谷宗一郎 さん
三好(匠)コーチがことしから1軍の内野守備・走塁コーチなりました。三好コーチの印象っていったらおかしいな…。コーチと選手の立場だからコメントしづらい部分もたくさんあると思うけど…

菊池涼介 選手
全然、しづらくないですよ。オフに電話して「だいじょうぶか? ノック打てるか?」っていうところから始まって、「今、練習していました」って言っていたんですけど、しっかり打てているし。本当に慣れないし、どういうことをやったらいいか、日々、たぶん考えていると思うんですけど、よくやってくれていると思いますし。彼もまだ体が動くので、実践してやってくれるという、見せてやってくれるコーチっていうのはいいなって。

天谷宗一郎 さん
菊池選手から見て、三好コーチが現役のころ、やっぱりうまいなっていう印象あった?

菊池涼介 選手
いや、うまいですよ。

天谷宗一郎 さん
認めていたと。そうなんだ、やっぱり。

菊池涼介 選手
あとは、ぼくとミヨ(三好コーチ)の野球の感覚とか打球の感覚とかっていうのはそれぞれあると思うので、ぼくも言いすぎないし、ミヨが言っていることに対しては「こういうことなんじゃないの」っていうふうに補助したりとか、でも「これはこうだよね」って入っていったりするところもあるんですけど。

“優勝するチームの条件” とは?

天谷宗一郎 さん
最後に。目標は絶対に優勝だと思うんです。今、3連覇を知っている選手がどんどん減って、若い選手がすごくいっぱいいる中で経験者だから感じたり思ったりする “優勝するチームの条件” って?

菊池涼介 選手
ぼくは、もう本当に小さいところですね。小園(海斗)がきょう(2月21日の練習試合)でホームに還ってこれなかったですけど、あの(センターオーバーの)1本で(1塁走者が)還ってこれるか、還ってこれないか。ボールを見ながら走ってちゃ還れないよねっていう。

天谷宗一郎 さん
ああ、2アウトだしね。なるほど。

菊池涼介 選手
そういう小さいところだとぼくは思います。本当に還ってやるんだと。あそこでファーストランナーにいて、カキーンって打った瞬間にこの1本で還ってやるんだっていう意識。逆に言えば、守備で言えば「これ、絶対行かしちゃならん」って、あのカットプレーは最高でしたし…

天谷宗一郎 さん
なるほど、ショートがね。

菊池涼介 選手
距離が長ければ長いほど、バックホームとかってどんどん的が小さくなるじゃないですか。そこに投げられるか投げられないか。本当にそういう細かい、小さいところかもしれないですけど、そういうところができれば1点にもつながって、1点を防げる。ムダな点をやらなくてすむ。ゲッツーを取れるところで取る。ゲッツー崩れでランナーが残って、次で点が入ってしまうとかそういうところだと思います。

天谷宗一郎 さん
小さいところの積み重ねということですね。

菊池涼介 選手
はい。

◇ ◇ ◇

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
菊池選手の話を聞いていて思ったんです。今はキャンプを終えてオープン戦になって若い選手がすごく(バットを)振れている状況ではあるんです。二俣(翔一)選手の守備もいいですし。で、林晃汰 選手があの(3月2日・髙木翔斗の)当たりで 赤松(真人)コーチがランナーを回すか回さないかギリギリまで迷っていたんです。それを回させるっていうのは、やっぱり林選手のスタートがよかったらこそ、あの決勝点が生まれているんです。たぶん、そういうところの積み重ねだっていうふうに菊池選手は言っているんだと思うんです。

石田充 アナウンサー
カープというと細かい機動力野球、守りで1点をどう防ぐかっていう菊池選手の話を聞くと、これがまた後輩につながっていって、カープらしさっていうのがまた生まれていくのかなと感じました。

天谷宗一郎 さん
現に3連覇しているとき、まさに紙一重ではあるんですけれども、次の1点を取りにいくっていう姿勢が菊池選手もそうですし、田中(広輔)選手もそうだったし、鈴木誠也 選手なんかもそうでした。みんな、持っていたなって。そういうところなんだろうなっていうふうに感じます。

(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)

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