犬の注意すべき『寝方』4つ 病気・怪我をしている場合の眠り方や対処法まで

️1.ぎゅっと丸くなっている

わんこがまるでドーナツかベーグルのように、キュッと小さく丸くなって眠っていることがありますよね。気温が低く寒い日などには体温保持のためによく見かける寝方なので、特別な心配はいりません。

ですが暑い日なのにギュッと丸くなっている、いつもはだら~っとリラックスして寝ていたのにある日を境に丸くなるようになったという場合には、体の不調が影響している可能性があります。

この寝方は、お腹やケガをして痛みを感じている部分をかばおうとしている体勢です。撫でようとすると唸って怒るといった行動が伴う場合には、特に痛みがひどいことが考えられるのでおかしいと思ったら動物病院を受診しましょう。

️2.横向きで苦しそう

わんこは周囲を警戒しながら寝ている場合、何かあったときにすぐ起き上がって逃げられるよう、フセの姿勢をとっています。一方、横向きに足を投げ出して寝ている姿勢は立ち上がるまでに時間がかかるため、究極にリラックスしているときの寝方と言われています。

横向きで気持ちよさそうに熟睡しているようすであれば、何の心配もいりません。ですが注意したいのは、苦しそうに息をしている場合や眠りが浅く落ち着かない様子のときです。

丸くなる寝方が寒いときに見られる一方、横向きの寝方は暑いときによく見られるものでもあります。暑い日に横向きで苦しそうに寝ている場合、暑さに相当な不快を感じている、あるいは熱中症でぐったりしているという可能性も否定できません。

️3.祈りのポーズ

フセの姿勢のように前足をまっすぐ前に伸ばし、お尻をツンと突き上げる寝方は、わんこが他のわんこや人間を遊びに誘う「プレイバウ」の姿勢によく似ています。

ですが相手がいないのにこのような姿勢をとっている、そのままの姿勢で寝ているという場合、この体勢は「祈りのポーズ」と呼ばれ、膵炎を起こしているときに見られる典型的なポーズとされています。

これは内臓の圧迫を和らげ、膵炎による激しい腹痛を紛らわせようとしているためと考えられています。わんこの急性膵炎は適切な処置を行えば予後も良好ですが、重症化すると命に関わる危険性もある恐ろしい病気です。この寝方をしているのを認めたら、すぐに動物病院を受診すべきです。

️4.大きないびきをかく

わんこが人間のようにいびきをかいて寝る姿を見て、びっくりしたことがある人も多いのではないでしょうか。犬種やその子の体質にもよりますが、いびきをかく子はよくかきます。

特に、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種のわんこの場合、鼻ぺちゃな顔立ちゆえにいびきをかきやすい特性があります。また人間と同様に、肥満傾向のわんこもいびきをよくかきます。

このように普段からいびきをかいている子は気にしなくてもよいのですが、いつもいびきをかかない子が急に酷いいびきをかくようになった、また普段よりもいびきの音が大きくなったという場合、何らかの呼吸器疾患が関与している可能性があります。

代表的なものとしては、気管虚脱や睡眠時無呼吸症候群などが疑われます。症状が重くならないと外見からはわかりにくいのですが、鼻腔内腫瘍がある場合もいびきをかきます。片側から鼻水が長期間出ている場合は注意が必要です。

️まとめ

いかがでしたでしょうか?寝方に限らず、愛犬の不調や異常を感知するためには「普段との違い」にいかに気づけるかが重要です。普段の愛犬の寝相やいびきの有無・大きさなどを意識的にチェックして暮らせると良いですね。

(獣医師監修:平松育子)

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