ドーピング処分軽減のハレップがマイアミ・オープンでツアー復帰へ!「試合ができるのが待ちきれません」<SMASH>

先日2件のドーピング違反による資格停止処分が当初の4年間から9カ月に軽減されたと大々的に報じられた女子テニス元世界ランク1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア/32歳)。数々の苦難を乗り越えた元女王の復帰の舞台が早くも決まったと、海外メディア『UBITENNIS』の他、複数のメディアが伝えている。

既報の通りハレップが犯したドーピング違反は、2022年8月の全米オープンで採取した検体から禁止物質に指定されている「ロキサデュスタット」(持久系アスリートに好まれてきた薬物で天然ホルモンエリスロポエチンの生成を促進する)が検出されたことに加え、23年5月に明らかになった「生体パスポート」(選手の血液成分などの情報を蓄積したデータ)に関わる違反。これによりテニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」から4年間の資格停止処分(22年10月から26年10月)を科せられていた。

そのドーピング違反の原因が前コーチのパトリック・ムラトグル氏(フランス/53歳)から薦められたコラーゲンの摂取であるとされていたハレップは、声高に無実を主張するとともに、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴も決行。

2月9日に終了した審理の結果、先週CASはプレスリリースを通じて「4年間の資格停止期間を9カ月に短縮することを全会一致で決定した。その期間については22年10月7日を開始日、23年7月6日を満了日とする」と正式に発表し、ハレップが即時復帰を果たせる見通しとなったと通告していた。
復帰の舞台に選んだのは、3月19日から開催される「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハードコート/WTA1000)。7日に更新された同大会のX(@MiamiOpen)ではハレップの本戦ワイルドカード(主催者推薦)獲得を報告している。

処分軽減決定からわずか2週間程度で公式戦のコートに戻ってくることとなったわけだが、あれだけ自身の潔白を強く唱え続けていたことを踏まえると、彼女がどれだけツアーでプレーをすることに飢えていたのかは想像に難くない。

なおハレップは8日に自身のインスタグラム(@simonahalep)を通じ、マイアミで待望のカムバックを遂げることについて次のように喜びのコメントを投稿している。

「2週間後のマイアミ・オープンでのツアー復帰を皆さんにお知らせできることをうれしく思います! この機会を与えてくれたトーナメントに感謝しています。またコートに戻って試合ができるのが待ちきれません。それでは皆さん、またお会いしましょう!」

多くのファンが待ち続けていたハレップの復帰。ワイルドカードでの出場とはいえ、いきなり四大大会に次ぐグレードのマイアミ大会とはこれまた大胆ではあるが、どんなプレーを見せてくれるのか楽しみにしたい。

文●中村光佑

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