3月末で辞めたいのに「人手不足」「後任が見つかってから」と言われ続けています。このまま退職できないのでしょうか?

退職をさせてくれないのは違法か?

民法627条1項によって、労働者には退職の自由が保障されているため、会社側は労働者が退職することを妨害してはいけません。労働者は退職の意思表示をした後、2週間経過すれば会社を辞めることが可能です。退職の意思表示としては、退職届を出すことなどが挙げられます。

ただし、就業規則の規定によっては、退職までに2週間以上かかる場合があります。例えば、就業規則にて「退職の意思表示は退職の1ヶ月前」と記載されている場合などです。また、例外として、実際に働いたものの入社前に明示された労働条件と違う場合、2週間を待たずしてすぐに労働契約を解除することができます。

今回、例に挙げた人のように「人手不足」「後任が見つかってから」といった理由で、退職届を受け取ってくれないこともあるでしょう。しかし、退職の際、会社の承認は必要ありません。先に述べた通り、労働者には退職の自由があるからです。退職の引き留めでもめる場合は、労働基準監督署に相談することもできます。

退職にまつわるトラブルと対策とは?

労働者の権利とはいえ、退職には次のようなトラブルが起こる可能性があります。

・脅されて退職できない

退職を申し出た場合、会社から「損害賠償を請求するぞ」「違約金を支払え」などの脅しを受けることもあるかもしれません。こうした行為は、労働基準法第16条に違反します。会社から、損害賠償や違約金などといった金銭の支払いを強要された場合は、労働基準監督署に相談するようにしましょう。

・退職金を支払ってくれない

会社が退職金の支払日までに振り込んでくれない場合、労働基準監督署に退職金の支給額や支払時期などが分かる書類を持ち込み、相談するようにしましょう。

・積立金を返してくれない

労働基準法第23条によって、労働者が「労働者の権利に属する金品」を請求すれば、会社は7日以内に労働者に返す必要があります。よって、積立金を返さない行為は違法なのです。労働基準監督署に駆け込むことをおすすめします。

・有給休暇を消化させてくれない

有給休暇は労働者の権利です。退職が決まっているからといって、取り消しになるものではありません。

有給休暇の許可が出ないのは、労働基準法第39条違反になります。上司が有給休暇を消化させてくれない場合は、まずは総務部や人事部に相談します。それでも有給休暇が取得できない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

会社が労働者の退職を認めないのは違法! 意思表示から2週間で退職することができる

民法627条1項によって、労働者には退職の自由が保障されているため、会社は退職を妨害してはいけないことになっています。万が一、会社側が退職の妨害行為をした場合、法律違反になります。

労働者は退職の意思表示後、2週間経過すれば退職することが可能です。退職できない場合は、労働基準監督署に相談するとよいでしょう。

出典

厚生労働省 長野労働局 退職(退職金を含む)に関する相談
e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
e-GOV法令検索 昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社