「彼がいなければ1位にはなれなかった」相棒に感謝 くじけた時に励ましてくれた父にも 国体カヌーVの高3をたたえる石碑 OBが建てる 沖縄・宮古総実高

 昨年10月に鹿児島県であった国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」のカヌー・スプリント少年男子カナディアンペア500メートルで優勝した沖縄県立宮古総合実業高校3年の平良一喜さん(18)をたたえる石碑が宮古島市の同校に建てられ、2月29日に除幕式が開かれた。有志でつくる宮古水産高校OBの会が制作。新垣盛雄会長は「旧水産高では成し遂げられなかった快挙。石碑を見た後輩たちが『努力すれば結果が出るんだ』と思い、頑張ると思う」と喜んだ。(宮古支局・當山学)

 豊見城市出身の平良さんは小学生の時、父祐喜さん(46)が監督を務めていた糸満市の沖縄水産高校の生徒らに交じって競技を始めた。3年前、祐喜さんの異動で家族そろって宮古島へ。宮古総高では他の部員に恵まれなかったが夏休みに沖縄本島に渡り、山城瑞希さん(沖水高3年)とのペアで練習を重ねた。

 その結果、1987年の海邦国体以来36年ぶりの沖縄の優勝を果たし、200メートルでも2位に入った。平良さんは「山城選手がいなかったら1位になれなかった」と感謝。また「くじけた時もあったが、父が『諦めるな』と言ってくれてここまで来られた。父母が誰よりも近くで応援してくれた。ありがとう」と両親に感謝の気持ちを告げた。

 千葉直史校長は「OBの方々に立派な石碑を建ててもらい、ありがたく思う。後輩たちの励みになる」と話した。

 平良さんは指導者を目指して山口県の大学に進学する。祐喜さんも来年度は沖縄本島の高校に異動する。

石碑の除幕式に臨む平良一喜さん(中央)ら=2月29日、宮古総合実業高校

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