学校近くの学有林は120年前、日露戦争勝利の記念…60年ぶり2回目?の伐採 さらに未来へ1万2000本植樹 霧島

学有林にスギ苗を植える木原小児童=霧島市国分郡田

 鹿児島県霧島市国分郡田にある木原小中学校には、1904年の日露戦争を記念し植えられた学有林がある。学校近くの約5万平方メートル。今年は樹齢60年ほどのスギやヒノキ約3000本を伐採、スギ1万2000本を植林中だ。120年の歴史を持つ林が、60年ぶりに生まれ変わろうとしている。

 学有林は学校から300メートルほど離れた通称「木原山」内にある。学校によると長い間うっそうと茂り、境界も分からなくなっていた。地域の人々から「そろそろ切ったほうがいい」と声が上がり、調べると樹齢60年ほどだと分かった。

 このとき、日露戦勝を記念し植樹したことを示す石碑も見つかった。今村敏照校長は「山田の凱旋(がいせん)門(姶良市)のように戦勝を祝って木を植え、今回は約60年ぶり2度目の伐採ではないか」と推測している。

 木原小の3、4年生児童6人が4日、伐採後の地面に花粉飛散が少ない品種のスギ苗100本を植え付けた。曽於市森林組合の職人が開けた穴に根の部分を入れ、土をかぶせて足で踏み固めた。苗を高所に運ぶドローン操縦も見学し、歓声を上げていた。

 4年の窪田ひまりさんは「土をかかとで踏むところが楽しかった」、3年の大森結未さんは「腰が痛かったけれど一本一本きれいに植えられた」と話した。高宗光暁教頭は「林を未来につなぐ60年に一度の貴重な体験をさせられ、よかった」と喜んだ。

 学校には代々受け継がれている学有林の専用通帳があり、伐採木材の売却費が入っている。これまでも文化祭で使う大型スクリーン、冷水器設置や部活動の遠征などにあててきた。伐採費や管理費を除いた今回の収入約500万円も入金。7年後に迎える創立150周年の記念行事などに使えないかと考えている。

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