【老後の自己破産】借金が「200万円」ある70代です。年金以外に収入もなく「自己破産」をしたいのですが、デメリットはありますか?

自己破産とは

払えなくなった借金の整理方法には「自己破産」、「個人再生」、「特定調停」、「任意整理」の4種類があります。各負債整理方法の特徴を表1にまとめました。

表1

※裁判所の各ページを参考に筆者作成

自己破産は4種類のなかでも財産をすべて処分する必要があるなど、最も動きの大きい負債整理です。

自己破産をすると、誰かの後見人にはなれません。さらに、自己破産後の財産を管理する破産管財人が選ばれた場合は裁判所の許可なしで転居や長期旅行ができなくなったり、郵便物が自分ではなくまず破産管財人へ届いたりする可能性もあります。

また、持ち家が自分名義の場合は持ち家も手放すことになるため、家族がいる場合は家族にも大きな影響を与えます。

自己破産することなく生活する方法

老後の自己破産を予防する方法は、働いているときから老後を見据えてしっかり貯金することです。退職後は収入が年金のみとなるため、ローンが残っていると年金と貯金から支払わなければなりません。

もし貯金が足りないと借金をすることになり、借金がたまった結果老後に自己破産をする方もいます。事前に老後に必要となるであろう金額をある程度予測し、必要なお金よりも余裕を持った金額が貯金できるようにしておきましょう。

また、仕事の退職時期を遅らせることも方法の一つです。働く期間が長ければ収入も増え、受け取れる厚生年金額も増額します。

老後に行える方法は、生活費の見直しです。働いていたときと比べれば、多くの場合は収入が減ります。しかし、働いていたときと同水準の生活を続ければ支出が収入を上回り、最終的に借金が必要となる可能性もゼロではありません。

費用をおさえられるところはおさえて、負担を減らしましょう。

自己破産を防ぐには勤務時代からの計画的な貯金が重要

自己破産は裁判所が認めれば負債の返済義務がなくなる負債整理方法ですが、代わりに自身の財産も金銭に換えて債権者へと渡ることになります。持ち家がなくなるだけでなく、後見人になれない、破産管財人が選ばれれば住む場所も制限される可能性があるなど、デメリットも少なくありません。

老後の自己破産を防ぐには、働いているときに計画立てて貯金をしておくことが重要です。なるべく早い段階から老後の生活を見据えて貯金を始めましょう。

出典

[裁判所
名古屋地方裁判所/愛知県内の簡易裁判所 破産の手続・自己破産の申立てを考えている方へ](https://www.courts.go.jp/nagoya/saiban/tetuzuki/l4/Vcms4_00000280.html)
仙台地方裁判所/仙台家庭裁判所/宮城県内の簡易裁判所 個人再生手続利用にあたって
鹿児島地方裁判所/鹿児島家庭裁判所/鹿児島県内の簡易裁判所 特定調停手続
債務整理の方法についてのQ&A

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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