2度の赤旗で波乱の開幕は中須賀が制す。水野がドゥカティ初表彰台/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝

 3月10日、2024年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レースのJSB1000クラス 決勝が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝を飾った。2位は水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)、3位は岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)となっている。

 決勝日は、風は冷たいものの青空にぽっかりと白い雲が浮かぶ好天に恵まれた。14周のレースは12時25分にスタートし、ホールショットを奪ったのは水野だった。中須賀、長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)の順で1コーナーに飛び込んでいく。

 長島はすぐに中須賀を捕らえると、水野をもパスしてオープニングラップを制する。この3台がトップ集団を形成していく。

スタートシーン/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝

 2周目に水野が首位浮上。トップが4周目に突入したとき渡辺一樹(TOHO Racing)が最終コーナー立ち上がりで転倒してしまい、これで赤旗中断となる。周回数は14周のままでクイックリスタートがアナウンスされた。

 12時50分にサイティングラップが開始され、仕切り直しのレースがスタート。長島がホールショットを奪い、中須賀、岡本とヤマハファクトリー2台が背後につける。若干出遅れた水野は、すぐにこの3台に追いついてあっという間にトップに浮上してオープニングラップを制する。

3位争い/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝

 水野、中須賀、長島、岡本の背後に渥美心(ヨシムラSERT Motul)が張り付く。そして水野と中須賀が一騎打ちに移行する。長島、岡本、渥美が表彰台争いとトップ集団は二手に分かれて周回を開始。

 中須賀は水野の背後にピタリとつけたまま周回を重ねていき、7周目のスプーンコーナーで中須賀が首位奪取して水野を引き離し始める。一方の3位争いは長島が遅れ始め、岡本と渥美の一騎打ちに移行した。

 10周目のS字コーナーで渥美が転倒し、再びセーフティカーが導入される。その間にまたもS字コーナーで児玉勇太(Team Kodama)が転倒したことにより赤旗中断となり、そのままレース成立となった。

 この結果、中須賀が優勝を飾り、水野はドゥカティに全日本ロード初表彰台をプレゼント。岡本が3位でヤマハファクトリーチームは表彰台2席を獲得となった。

表彰台を獲得したトップ3/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝

■中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)決勝:優勝
「昨日の予選は悪天候で中止となり、今日は思った以上に気温上がったものの風が強かったです。ダンロップタイヤの長島選手はアウトラップから速いのは分かっていました。最初は付いていくのに必死でしたが、思ったよりも落ち着いて走ることができました」

「ドゥカティの水野選手がどんな走りをするか、テストなどでは一緒に走ることがなかったので分かっていませんでした。メーカーごとに速い場所と遅い場所が違うなか、自分たちの強みを生かすべきところで生かして走りました」

「レースはセーフティカーが入った後に赤旗で終わってしまいましたが、いつもより早いタイミングで前に出たことが結果につながりました。チェッカーが受けられなかったのは残念ですが、1位で終えることができてよかったです」

■水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)決勝:2位
「今週は1日多いレースウイークで始まりましたが、スーパーフォーミュラの後に走ることは今日の決勝がぶっつけ本番でした。気温が低くて、なかなかタイヤのグリップ感は得られなかったのですが、序盤からペースを上げようと試みました」

「ペースが落ちたところで中須賀選手に抜かれてしまったので、この結果は自分のせいです。ただ、先週のシェイクダウンからと考えると前向きな結果です。まだまだ強敵ヤマハファクトリーに対してかなわない部分はありますが、最低限の結果を残すことができたし、手ごたえも感じました。次戦こそ優勝をねらいます」

■岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)決勝:3位
「金曜日の最後の走行で転倒してしまい、土曜日の予選もキャンセルとなってしまったので、転倒後に走ることができず、今朝のフリー走行で直してもらったマシンを走らせました。自分のウォームアップ性の課題が克服できないままレースを迎えてしまって、一度目の赤旗前は特にひどかったです」

「ウォームアップ性のいいタイヤを用意してもらいましたが、初めて履いたものだったので、なかなかペースを上げることができず、長島選手とのバトルでトップグループから離されてしまいました。完走はできましたが、課題が残りました」

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝
勝利を称え合う中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝
2位表彰台を獲得したDUCATI Team KAGAYAMA/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 決勝

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