身近で大切な栄養素、「ビオチン」ってどんなもの?~ダイエットに役立つ栄養クイズ~

By 大越 郷子

私たちはふだん、さまざまな食材を食べて生きています。食事をしながら食材の細かな栄養素にまで意識を巡らすことはないと思いますが、それらについて少し知識が増えるだけで、食べ方が変わり、食材の選び方が変わり、健康に大きな影響がもたらされるかもしれません。“ダイエットに役立つ栄養クイズ”、今回のテーマは、耳慣れないけれど大事な役割を果たす栄養素、「ビオチン」です。

問題1 「ビオチン」という栄養素は、次のうちどの仲間になると思う?

□アミノ酸
□脂肪酸
□ビタミン
□ミネラル

「ビタミン」です

「ビオチン」はビタミンの仲間で、ビタミンB群の一種。糖質の代謝では補酵素(酵素の働きを助けるもの)として働き、たんぱく質や脂質の代謝にも深く関わるなど、3大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)がエネルギーに変わるときに、それぞれの代謝をサポートする重要なビタミンです。

問題2 「ビオチン」の働きを説明したものとして関係の深い内容は、次のうちどれ?

□髪や皮膚の健康を守る
□血糖の急上昇を抑制する
□貧血を予防する
□血中のコレステロールを下げる

「髪や皮膚の健康を守る」です

「ビオチン」は、ラットの皮膚病を予防する成分として発見されたと言われています。人間にとっても、ビオチンは髪や皮ふの健康に大切なビタミンです。不足すると、疲労感や憂うつなどの症状とともに、湿疹や、髪が抜ける、白髪になるといった、皮ふや髪の症状として表れます。ただし、ふだんの食生活で不足するようなビタミンではないと考えられています。

問題3 「ビオチン」の含有量がいちばん多い食材は、次のうちどれ?

□豚レバー
□鶏レバー
□あんこう肝
□ウナギ肝

「鶏レバー」です

上記の食材に含まれている「ビオチン」の量は、上から80μg、230μg、13μg、未測定となります。ウナギの肝にはほとんど含まれていないビオチンですが、さまざまな食品に広く含まれているため、毎日の食卓にいろいろな種類の食材を使用していれば不足することはまずありません。なかでも、肉類のレバーに多く含まれており、上記の中では鶏レバーにいちばん多く含まれています。そのほか、イワシや卵、落花生などにも豊富に含まれています。

問題4 ふだんの食生活で、「ビオチン」不足は起こりにくいのですが、少し注意したい食材があります。それは次のうちどれ?

□納豆
□玄米
□生卵
□アーモンド

「生卵」です

通常の食生活を送っていれば、まず不足の心配のないビタミンである「ビオチン」ですが、少し注意したいのは「生卵」です。生の卵白を多量にとると、卵白中のアビジンというたんぱく質がビオチンの吸収を阻害し、欠乏症を招くことがあるのです。とは言っても毎日、生卵を大量に食べるような、極端な食べ方をしない限り心配はいりません。また加熱した卵には、こうした心配はありません。

問題5 「ビオチン」の別名は、次のうちどれ?

□ラクトース
□ロイシン
□ユビキノン
□ビタミンH

「ビタミンH」です

「ビオチン」は別名「ビタミンH」とも呼ばれます。ドイツ生まれの生化学者が、ビオチンが皮ふ炎や脱毛の症状を防ぐ因子であることを発見したことから来ており、ビタミンHのHは、ドイツ語の「皮ふ(Haut)」の頭文字からとったと言われています。なお、「ラクトース」は糖質の一種、「ロイシン」はアミノ酸の一種、「ユビキノン」は、ビタミン様物質の一種になります。

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