「オムツなんてつけないわよ!」内部障害で排泄が苦手な猫 どうか良縁に恵まれますように

原因不明のお漏らしを繰り返すフェレちゃん

奈良県大和高田市を拠点に猫の保護・譲渡やTNR活動を行う団体、たかだ地域猫ネットワーク(以下、たかだ地域猫)。2022年6月、いつも通り奈良県内のとあるエリアで、TNRのために何匹かの地域猫を捕獲し、動物病院へと去勢避妊手術のために連れていきました。

そのうちの1匹のメス猫の股の周りが広範囲にわたってただれていました。よく見れば尿道も膿で詰まっています。避妊手術を無事に済ませ、それを示すさくら耳カットも行ったものの、この状態のままリターンするわけにはいきません。たかだ地域猫ではこのメス猫を世話することにしました。

意思とは関係なくお漏らししてしまう

後にこのメス猫につけられた名前は「フェレちゃん」。

どうして股の周りがただれ、尿道に膿が詰まっているのかは獣医師でも解明できませんでしたが、この持病のためか、糞尿をちょろちょろ漏らし過ごしていました。そのためスタッフはオムツを付けようと試みましたが、たくましく生き抜いてきた地域猫としてそれを拒みます。「オムツなんてカッタるいものは、つけていられないのよ!」「垂れ流しだっていいのよ。それが私なの!」と言わんばかり。無理につけようとすれば大暴れします。

仕方なくフェレちゃんにはケージの中で過ごしてもらうことにしましたが、あまりストレスを溜めさせては良くないため、たまにケージの外にフェレちゃんを出しましたが、やはりあちこちで粗相。スタッフはフェレちゃんの後を着いていき、その都度後始末をすることになりました。

「オムツ? 要らないわよ、そんなもの。垂れ流しでいいじゃない」

気長に里親さんとのマッチングを待つ

きれいないブルーの瞳のフェレちゃんの顔立ちは実に優雅。遊ぶのも大好きでいつも元気に行動していますが、お漏らしは治りません。「お漏らし問題さえなければすぐに里親さんが決まっていたんだろうと思うと、正直複雑な気持ちになります」とスタッフは語ります。

お漏らしはしますが、見た目は実に優雅なたたずまい

保護された猫たちであっても、「結果的にうちに残ってしまう子たちは幸せではない」ともスタッフは語ります。どんな猫であっても、安心して暮らせる「ずっと」のおうちで愛されることが、保護団体で過ごすよりもずっと幸せなはずだと考えているからです。

スタッフはこれからもフェレちゃんの世話を続け、里親さんとのマッチングを気長に待ち続けたいとも語ります。お掃除はかなり大変ですが、いつまでもフェレちゃんが元気で過ごせるように、たかだ地域猫のスタッフにはどうかがんばってほしいと願うばかりです。

__たかだ地域猫ネットワーク
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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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