「R-1に夢はある」優勝の街裏ぴんく 本誌に語っていたブレイクまでの苦難、1年前は「まだバイトしてます」

街裏ぴんく

「R-1に夢はあるんですよー!」

3月9日に放送された“ピン芸日本一決定戦”『R-1グランプリ2024』(フジテレビ系)で、22代目王者に輝いた街裏ぴんくは、自身の優勝が決まった瞬間、そう叫んで泣き崩れた。

決勝1stステージは歌人・石川啄木、正岡子規ら歴史上の人物と温水プールで遭遇したネタを披露し、審査員の陣内智則は「大嘘つきタイムスリップ漫談みたいな」と評価。5人の審査員中、もっとも高い96点をつけたハリウッドザコシショウは「エネルギーがすごい。このエネルギーが、いまのテレビには必要だと思う」と街裏を称賛し、得票数2位でFinalステージへ進出。

Finalステージでは、街裏が『モーニング娘。』の初期メンバー、はっちゃんとしてデビューする予定だった設定の漫談を披露し、決選投票で3票を獲得。芸歴20年めで栄冠を手にした。

ちょうど1年前の2023年2月、本誌は「鶴瓶、カズレーザーが絶賛するウソ漫談芸人」として、街裏にインタビューをおこなっている。街裏が、2023年2月8日に朝の情報バラエティ『ラヴィット!』(TBS系)でウソ漫談「中尾彬の目撃談」を披露し、Xでトレンド入りし、笑福亭鶴瓶から「いまいちばんおもしろい若手芸人」、カズレーザーから「日本で5本の指に入るおもしろい芸人」として絶賛されていたからだ。

そのインタビューで街裏は、現在にいたるまでの苦難の道のりを語っていた。

「2004年、神戸学院大の一回生のときに組んだコンビは3年で解散。フリーのピン芸人をしていたときに松竹芸能にスカウトされたものの、退所して吉本新喜劇への出演を志します。新喜劇のスターだった故・島木譲二さんに弟子入りを志願するもかなわず、今度は、爆笑問題の所属する事務所『タイタン』入りを目指しましたが、事務所主催の『タイタンライブ』に1度も出られず。お笑いの事務所に入れないので、仕方なく悪役俳優の事務所の面接を受けたら、顔を見た瞬間、『合格』と言われたそうです(笑)」(本誌記者)

芸風を確立したのは、現事務所「トゥインクル・コーポレーション」に所属した2014年ごろ。新ネタを毎月20本披露するライブで、徐々にいまの形を作っていったという。

「ちなみにトゥインクル・コーポレーションは、片桐仁(元ラーメンズ)や、お笑いコンビ『エレキコミック』らが所属する事務所。2024年1月に放送された『水曜日のダウンタウン』の企画『S(スベリ)-1グランプリ』で優勝したエンジンコータローも、2024年から同事務所の所属となりました。エンジンコータローは、9日に自身のXで《街裏ぴんくちゃんおめでとうございます!!!》と、街裏の優勝を祝福。その1時間後、《底辺と頂点が揃いました》とポストしていました」(同前)

本誌が取材した2023年2月には「いまも普通に、コンビニでバイトしてます」と語っていた街裏。「R-1に夢はある」と叫んだ、その言葉は本心に違いない。

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