「富裕層のお嬢さま」が、結婚するときに持参した「唯一のもの」とは(後編)

東北の由緒ある家系の女性の話。彼女は父方が旧華族で、政財界に太いパイプがある家柄で…。 後編です。

見ると、お手伝いさんが3人いて、彼女たちも旦那さんの家に引っ越してきました。

お金持ちは、お手伝いさんも一緒に引っ越すものなんですね。

お金のしがらみなく育った人は「執着する心」もあまりない

由緒さんは、自分で働いてお金を稼いでいません。もしかしたら、不動産収入や株のインカムゲインはあるかもしれませんが、そんなものがなくとも、旦那さんの稼ぎで永久に遊んで暮らせます。

働いていないので、美容や趣味に十分な時間を使えます。

それでも時間が余るので、時間に縛られません。

だから、どこへでも行くし、無償で他人の悩みを解決することがあります。

以前、由緒さんが使っていたルブタンの財布をくださいと言ったら、「え?いいよ、あげる」と言っていました。

物への執着もないし、たくさん持っているから、他に欲しい人がいれば自分は失っても構わないのかもしれません。

棘が怖いことを理由に財布はもらいませんでしたが、由緒さんの物に対する考え方を垣間見ました。

▶一方、育ちが悪い「年収1億円おじさん」が永遠に手に入れられないものとは

お育ちが悪い「年収1億円おじさん」が永遠に手に入れられないものとは

年収1億円のおじさんに、使っていないプレステ4をくれと言ったとき、おじさんはくれませんでした。

元からの金持ちじゃないから、使っていなくても、他人にあげるのは惜しいのかもしれません。

おじさんは、大阪のクラブで知り合った22歳の無職の彼女には、マンションを買ったりビジネスクラスで海外旅行に行ったり際限なくお金を使います。

しかし、仕事を手伝ったぼくには、誕生日のLINEすらしてきません。

由緒さんの仕事を手伝ったことはありませんが(無職だし)、何か手伝えば、それ相応の対価を支払ってくれると思います。他人から施しを受けたらお礼する環境で育ってきたはずだからです。

▶一億円おじさんが「持っていない」決定的なものとは

1億円のおじさんは、スラムで暴力と廃品と野良犬に囲まれて育ったので、感謝の気持ちを持っていません。毎日の食事にありつくこともままならなかったので、今でも、食べられるだけで満足し、食事に興味がありません。

由緒さんは、ポルシェやフェラーリばかりの町内でゴッホとヴァイオリンの音色とヨークシャーテリアに囲まれて育ち、他人への敬意に溢れています。

ふたりを見ると、お金を持つだけではいけないな、と感じます。

(本記事は2020年8月初出の記事に2023年8月加筆修正を行いました)

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