ムーンルーフは天窓を装備した屋根のことで、いわゆるサンルーフと同義です。トヨタやレクサスにおいて、この名称が使われています。ムーンルーフの定義や種類、装着のメリット・デメリット、おすすめのムーンルーフ搭載車種をご紹介しています。
ムーンルーフはサンルーフと同義
ムーンルーフとは「天窓を装備した屋根」のことで、一般にはサンルーフと同じものを指します。「ムーン」と付いているものの、夜景を見ることに特化している訳ではありません。
天窓を開閉できるものも多く、主に外車や高級車、ボディタイプではSUVやセダンに装備されています。
▽「ムーンルーフ」と呼ぶのはトヨタ/レクサス
ムーンルーフとサンルーフは基本的に同じものを指しますが、名称が異なるのはメーカーによって独自の呼び方をしているからです。
現在サンルーフを「ムーンルーフ」という名称で販売しているのは、基本的にトヨタとレクサスのみ。元々はトヨタが他社と差別化を図るために、この名称を使うようになったと言われています。
ムーンルーフの種類
ここからは、トヨタ/レクサス車に焦点を当ててムーンルーフの種類や機能性の違いを解説します。
▽天窓の形状と枚数による種類
トヨタ/レクサス車では、現在は主に以下のようなタイプのムーンルーフを扱っています。
◇ ◇
【ムーンルーフ】
1列目上部に設置された一般的なルーフ(設置車種の例:ランドクルーザー、クラウンクロスオーバー)
【左右独立ムーンルーフ】
左右独立で2枚設置されたルーフ(設置車種の例:アルファード)
【ツインムーンルーフ】
前後独立で2枚設置されたルーフ(設置車種の例:ヴォクシー(3代目)、アルファード(3代目))
【パノラマルーフ】
フロントからリアまで広がる大面積のルーフ(設置車種の例:カローラクロス、RAV4、プリウス、クラウンセダン)
◇ ◇
ツインムーンルーフは、主にミニバンのような天井面積の大きい車種に設定されていました。しかし現行ヴォクシーでは搭載がなく、アルファードも現在は左右独立型になっています。
レクサスでは、ムーンルーフとパノラマルーフを選択できる車種も多くあります。
▽天窓の開き方は2パターン
天窓(ガラス面)の開き方には、以下の2パターンがあります。
・チルトアップ:ガラス面の後方が浮き上がる
・スライド:ガラス面が後方にスライドする
天窓の開閉機能については、チルトアップとスライドの両機能を搭載している車種も少なくありません。その一方で、最近ではガラス面が一切開口しない「ガラスルーフ」タイプも増えています。特にトヨタ車ではガラスルーフが増えており、新型アルファードやハリアーもガラス面が開きません。
ムーンルーフのメリット・デメリット
ムーンルーフはオプション設定の場合がほとんどで、装着するか悩む人も多いです。ここでは搭載のメリット・デメリットを解説します。
▽メリット
・見た目が格好良い
・車内が明るくなる
・青空や星空を楽しめる
・子どもが喜びやすい
・売却時にプラス査定されやすい
ムーンルーフがあると車内に光が入り、開放感を得られます。また売却時には査定額が上がりやすく、なかにはオプション価格とほぼ同等の査定額アップに繋がるケースもあります。
▽デメリット
・車両重量が重くなる
・室内高が低くなる
・寒暖差や眩しさを感じやすい
・日焼けが気になる人は使いにくい
・ガラス面の汚れが目立つ
ムーンルーフを装着すると車重が重くなり、走行性能や燃費性能が若干ながら下がる可能性があります。また天窓の分だけ室内高が低くなり、特にセダンでは頭上が狭くなりがちです。また日焼けしたくない人の場合は、装着しても「使えない」と感じることが多いでしょう。
▽装備をお勧めするケース
以下のような場合には、ムーンルーフの装備をお勧めします。
・アウトドアが好き
・ドライブが好き
・購入するのが高級車
・数年で乗り換える予定
ムーンルーフは自然や外の景観を楽しみたいアウトドア好き/ドライブ好きと相性が良いです。また高級車の場合、お金を惜しまず装備を付けた方が満足感が高く、リセールバリューも高まります。
ただし「装備したけど結局使わなかった」という人も少なくないため、気になる場合はできる限り試乗で光の入り具合などを体験してから決めましょう。
ムーンルーフに関するQ&A
▽Q. 装着する場合の費用相場は?
ムーンルーフの相場価格は10~20万円です。
▽Q. 装着で査定額はいくら上がる?
ムーンルーフの査定額への影響は車種やグレード、年式にもよりますが、10万円前後アップすることも少なくありません。
▽Q. ムーンルーフの後付けは可能?
ムーンルーフはクルマの製造段階で取り付けられる「メーカーオプション」の場合が多く、ディーラーでの後付けは基本的にできません。ただしクルマの改造などを行う専門業者で後付けサービスを受けられる場合があります。
ムーンルーフ搭載のおすすめ車種
ここからは、ムーンルーフ(パノラマルーフ含む)を搭載できるおすすめ車種を厳選してご紹介します。
▽トヨタ「カローラクロス」
新車時価格:218.4万円~345.9万円
中古車相場:181.5万円〜435万円
「大きなクルマや高いクルマは買えないけど、ムーンルーフが欲しい」という人におすすめなのがカローラクロス。コンパクトなサイズ感で車両価格も抑えられています。
ガソリン車のZグレードとハイブリッド車のS及びZグレードにおいて、11万円で大面積のパノラマルーフを搭載できます。
▽トヨタ「ハリアー」
新車時価格:312.8万円~620万円
中古車相場:25万円〜553.8万円
ハリアーはパノラマルーフの中でも調光機能のついた「調光パノラマルーフ」を搭載しています。ガラス面の間に液晶の膜が通されており、調光オンにすれば明るさを保ちつつ眩しさをカットできます。
最上位Zグレードのみ搭載可能で、価格は約20万円です。
▽トヨタ「アルファード」
新車時価格:540万円~872万円
中古車相場:25万円〜1299万円
アルファードでは、ムーンルーフを搭載する人が比較的多いです。先代モデル(30系)では前後2枚のツインムーンルーフ、現行モデルでは左右独立ムーンルーフを装着できます。
現行モデルの左右独立型では、左右2枚のムーンルーフを別々に使用することが可能です。Zグレードはオプション(約13万円)、Executive Loungeは標準装備となっています。
▽レクサス「NX」
新車時価格:455万円~753.5万円
中古車相場:142.9万円〜818万円
レクサス車はムーンルーフの装着率が約80%と言われており、高級車ブランドとして装備は当たり前のようです。
NXでは多くのグレードにおいてムーンルーフとパノラマルーフを選択でき、ともに天窓の開閉機能もあります。見栄えがよく、リセールバリューも上がりやすいパノラマルーフの方が人気です。
◇ ◇
【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!
◇ ◇
【norico編集部おすすめ記事】
▽後悔しない車のグレードの選び方|グレード選択に迷う人必見!
https://221616.com/norico/grade-regret/
▽クルマの売却時にドラレコはどうする?査定への影響と売却のポイント
https://221616.com/norico/recorder-satei/
(まいどなニュース/norico)