日本パラ水泳連盟などは3月10日、パリ・パラリンピック競泳の日本代表に、女子視覚障害S11の石浦智美選手(36)=伊藤忠丸紅鉄鋼・新潟県上越市出身=が内定したと発表した。東京パラに続き、2大会連続の出場となる。新潟県関係でパリ・パラの代表入りが内定するのは初めて。
石浦選手は、新潟盲学校中学部、筑波大付属視覚特別支援学校(東京)などで競泳選手として活躍。3月9、10日に静岡県で行われたパリ・パラ代表選考会の女子自由形50メートル、100メートルで日本記録を更新するなどしたことで選ばれた。
石浦選手は「パリでメダルを取り、支えてくれた皆さんに恩返ししたい」と抱負を語った。パリ・パラは8月28日に開幕する。
◆戦略ピタリ、2日連続で日本新、36歳石浦智美「パリからメダル届ける」
何としてもパリ・パラリンピックへの切符をつかむ-。思いが結実した力泳だった。3月10日の女子100メートル自由形(視覚障害S11)で石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼・上越市出身)は日本記録を0秒29更新する1分9秒68でゴール。パリ代表入りをたぐり寄せた。
終盤に息継ぎを減らす「プラン通り」のレース運びだった。3月9日の50メートルに続く日本新。100メートル背泳ぎでも自己記録を更新し「まだ伸びしろがある」と手応えを語る。
体調不良もあり、万全とはいえない状態で臨んだパリへの大一番だったが、古里からの応援メッセージに背中を押された。大会直前に母校の北諏訪小(上越市)の子どもたちから動画が届き「すごく励みになった」と感謝する。
東京パラは50メートル自由形など3種目で入賞したが、メダルには届かなかった。「『諦めずに続ければ夢はかなう』と思ってもらえるようなレースにしたい」。36歳のベテランは、パリから古里へ「勇気と元気とメダル」を届けると誓った。
(報道部・田中伸)