長い間、結婚生活のストレスに耐え、子育てが一段落したなど区切りがついたときに離婚に踏み切ったけれど、その後の人生のほうが苦しくなってしまうことも。
離婚そのものに後悔はなくても、勢いで進めて後で損をしたと知ったり、思ってもいなかった苦労が待っていたり、結婚していた頃よりさらに窮屈な生活になるのはつらいものです。
何がいけなかったのか、どうすればよかったのか、熟年離婚後に大変な思いをすることになった女性たちのリアルをご紹介します。
「生活の忙しさからいつの間にか会話のなくなった元夫とは、子どもたちが家を出た後でどう過ごすかずっと悩んでいました。
離婚に踏み切ったのは、元夫が突然『俺の実家で親と暮らす』と言い出し、要は親の世話を私にさせる目論見だったのですね。それがどうしても嫌で、離婚を切り出して散々揉めた末、私は実家に戻りました。
父は病気で他界しており家には母のみ、正社員で働く私は定年退職後は嘱託社員として勤務が続く道もあり、落ち着いて生活できるだろうと思っていました。
問題は、元夫の実家と私の実家が隣町だったこと。そう離れていないので、近くのスーパーに行けば元夫の母親と鉢合わせすることがあり、何度か気まずい思いをしました。
スーパーなどは行くお店を変えれば済むけれど、付きまとったのは離婚の噂です。
母は近くの介護施設で清掃の仕事をしているのですが、訪れる顔見知りのかたに『あなたの娘さん、自分の勝手で家を飛び出して離婚したのだってね』と言われることがあったそうです。
母は『娘の身勝手ではなく、元夫のほうが無茶な要求をしてきたから離婚した』と母は答えたそうですが、ストレスだろうことはわかりました。
元夫の実家は地元でも有名な土地持ちの一家で、離婚についてあることないこと周囲に吹き込んでいるのだろうなと思います。
噂をする人にとっては、真実なんてどうでもいいことで、とにかく騒ぎたいのですよね。
私は会社が市外なのでそんな話の的にされることはなかったのですが、一方的に巻き込まれた母には本当に申し訳ないと思いました。
そんな状態はすぐに止みましたが、こんな現実が待っているなんて想像もしておらず、離婚後についてはいろいろな場面を考えておくのがいいと思います」（50歳／公務員）
特に昔からの顔見知りが多いなどの環境で起こりやすいのが、離婚についてあれこれと探られること。
こちらの女性が言う通り、噂したい人にとって真実など説いても無駄なことが多く、取り合うほどにストレスが増していくのもよくあることです。
どれだけ自分が正しいと思っても防げないこんな事態は、黙ってやり過ごすのが最善。
胸を張って生きることで、口さがない人たちの悪意は遠ざけたいですね。
（ハピママ*/ 弘田 香）
