輝く水面、漆黒の湖底面 干し上げで鮮やかなコントラスト浮かぶ 渡良瀬スケッチ⑩

干し上げが行われている谷中湖

 夕日を浴びる水面が黄金色に輝き、陸地化した湖底面との鮮やかなコントラストが浮かび上がる。

 渡良瀬遊水地内の谷中湖では現在、湖の水を抜く「干し上げ」が行われている。首都圏の水道水として利用される谷中湖の水質保全対策のため毎年実施しており、干潟のような景観はこの時季ならではだ。

 遊水地を管理する国土交通省利根川上流河川事務所によると、湖底を露出させて日光にさらすことで、かび臭発生の原因となる植物プランクトンを死滅させる。

 1月中旬から水位を下げ始め、現在は満水位より約6.5メートル低い状態。湖の大部分が陸地化しており、3月下旬から水位を回復させていく。同事務所の担当者は「ぬかるんで危険なため、露出した湖面には近づかないでほしい」と呼びかけている。

© 株式会社下野新聞社