マウントジーンズ那須、30年の営業に幕 1500人来場、親しんだゲレンデに別れ

感謝の横断幕と共に最後の集団滑走をするスタッフや来場者ら=10日午後2時30分、那須町大島

 地元をはじめ多くのスキー、スノーボード愛好家に親しまれた那須町大島のスキー場「マウントジーンズ那須」が10日、30年の営業に幕を下ろした。家族連れなど約1500人が来場し、ゲレンデに別れを告げた。

 運営する東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)は、近年の暖冬・少雪を理由に今季限りの閉場を決めた。最後のシーズンは記録的暖冬に見舞われたが、8日前後からの降雪で全面が雪に覆われ、好天の下、最終日を迎えられた。

 最後のイベントとして約500人による集団滑走を実施。「30年間ありがとうございました」と書かれた横断幕と共にゲレンデをゆっくりと滑り降りた。滑走を終えると「今までありがとう」など感謝する声が上がり、涙を流す人もいた。

 親子2人で訪れた同町豊原丙、会社員亀田英明(かめたひであき)さん(51)は「息子と毎週スキーを練習しに来ていたのでとても残念」と話し、息子の優介(ゆうすけ)君(10)は「近くにあるスキー場がなくなってしまうのはさみしい」と閉場を惜しんだ。

 藤本秀隆(ふじもとひでたか)支配人(58)は「最後に雪が降り、きれいなゲレンデになって良かった。皆さん、ありがとうございましたという思いでいっぱい」と感謝した。

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